ファンガクリームの11の有効成分 臨床実験
臨床実験①:ユーカリオイル、ティーツリーオイルの殺菌作用
ユーカリオイル、ティーツリーオイル、レモングラスオイルとクロルヘキシジン0.1%及びエタノール70%、オリーブオイルと、それぞれのオイルでの殺菌作用を確認した結果、ティーツリー、レモングラス、ユーカリのいずれも殺菌作用が確認された。
【原題】
The ongoing battle against multi-resistant strains: in-vitro inhibition of hospital-acquired MRSA, VRE,
Pseudomonas, ESBL E. coli and Klebsiella species in the presence of plant-derived antiseptic oils
(J Craniomaxillofac Surg. 2013 Jun;41(4):321-6. doi: 10.1016/j.jcms.2012.10.012. Epub 2012 Nov 29.)
臨床実験②:ユーカリオイル、オリーブオイルの創傷治癒促進と抗菌作用
ユーカリとローズマリーの精油をココアバター、セサミオイル、オリーブオイルとともに微粒子化し、ヒトの皮膚モデルでの創傷治癒効果、2種類の黄色ブドウ球菌を用いた殺菌効果、また、ラットの火傷モデルで、それぞれのオイルと精油の皮膚に対する効果を調べた。
結果、ユーカリオイルとオリーブオイルを微粒子化したオイルが、最も皮膚の創傷治癒効果が高く、また殺菌についてもユーカリオイルがローズマリーオイルの方が高い殺菌作用を見せた。
ユーカリオイルとオリーブオイルの微粒子化したオイルは、抗菌作用を持ちつつ、線維芽細胞に対して作用し組織治癒促進と傷の接着を進めることが確認できた。
【原題】
Essential oil-loaded lipid nanoparticles for wound healing.
(Int J Nanomedicine. 2017 Dec 27;13:175-186. doi: 10.2147/IJN.S152529. eCollection 2018.)
臨床実験③:オリーブオイルの創傷治癒促進、抗炎症作用、保湿作用
マウスの褥瘡にオリーブオイルを外用で塗布した試験では、抗炎症作用、酸化ダメージの減少、皮膚の再生を促し、創傷改善作用が見られた。
また、重度のやけどによる傷に対して銀スルファジアジンと生理食塩水を使用した対象群よりも早い傷の回復が確認された。
UVB照射による皮膚へのダメージ(日焼け)について、エキストラバージンオリーブオイルを塗布しておくことで、皮膚がんの発生を生じにくくする作用があることも確認された。
【原題】
Anti-Inflammatory and Skin Barrier Repair Effects of Topical Application of Some Plant Oils
(Int J Mol Sci. 2018 Jan; 19(1): 70.)
臨床実験④:ミツロウとオリーブオイルの混合液による抗菌作用を生じにくくする作用があることも確認された。
蜂蜜、ミツロウ、オリーブオイルを混合したものを、皮膚真菌疾患がある、でんぷう患者(14人)、いんきんたむし発症者(14人)、ぜにたむし発症者(8人)等、合計36人の患者に、8時間おきに4週間塗布したところ、治療開始前に比べ、治療終了後には、36人中29人で症状の改善が認められた。
【原題】
Beeswax: A minireview of its antimicrobial activity and its application in medicine.
(Asian Pac J Trop Med. 2016 Sep;9(9):839-843. doi: 10.1016/j.apjtm.2016.07.003. Epub 2016 Jul 26.)
臨床実験⑤:ラベンダーオイルの創傷治癒促進作用
月齢6カ月のラットを2つのグループに分け、未治療のグループとラベンダーオイル4%を含む軟膏を塗布するグループで比較したところ、ラベンダーオイルを含む軟膏を塗ったグループでは、傷の縮小率が98%向上し、またタンパク合成も促進した。
ラベンダーオイルには、高い創傷治癒作用が期待できる。
【原題】
Antioxidant and wound healing activity of Lavandula aspic L. ointment.
(J Tissue Viability. 2016 Nov;25(4):193-200. doi: 10.1016/j.jtv.2016.10.002. Epub 2016 Oct 5.)
臨床実験⑥:ビタミンEの抗炎症作用・皮膚保護作用
酢酸トコフェロール(ビタミンE)軟膏を重度のおむつかぶれの21人の新生児に、外用で塗布した。
一方で、比較として同様の症状の19人の新生児には、一般的に用いられる保湿作用のある軟膏を塗布し、開始日を0として、4,7日後に皮膚損傷の程度、回復程度を比較した。
その結果、酢酸トコフェロール(ビタミンE)を塗布したグループでは皮膚の改善程度がより高いことが確認された。
また、酢酸トコフェロール(ビタミンE)を塗布したグループでは、通常の保湿作用のある軟膏を使用したグループに比べて、有意に治療失敗率が低く、副作用も見られなかった。
【原題】
[Effectiveness of topical acetate tocopherol for the prevention and treatment of skin lesions in newborns: a
5 years experience in a 3rd level Italian Neonatal Intensive Care Unit].
(Minerva Pediatr. 2005 Oct;57(5):305-11.)