この記事の監修ドクター
自然療法医 ヴェロニカ・スコッツ先生
ブラジルのリオグランデドスル・カトリック大学認定の自然療法専門医。アメリカ、カナダ、ブラジルの3カ国で認定された国際免許を取得しており、専門医として自然由来のサプリメントに関する知識と精密な現代科学のデータを組み合わせて診断や治療を行っています。自身のフィットネスインストラクターとしての16年間の経験を活かし、多くの患者が抱える肉体的な問題だけでなく、精神的な問題も含めて、自然由来のサプリメントを用いた新しい“先見的な予防医学”にも注力しています。
血流を良くするアルギニンとはどんな栄養素?
血流改善効果があると注目されているアルギニンですが、一体どのような栄養素なのかご存知でしょうか。
アルギニンは、アミノ酸の一種です。私たち人間の体内でも合成されるため、「非必須アミノ酸」に分類されていますが、年齢を重ねるごとにその合成量は減少するといわれています。
特に、病気や怪我をした際にはアルギニンの合成力が低下し、不足状態に陥ってしまうことも少なくありません。
そのため、アルギニンは食べ物から十分に摂取する必要があるのです。
アルギニンの主な働きは、成長ホルモンの合成を促すことによる脂肪の代謝促進、筋肉強化などがあげられます。
この作用によって、成長期の子供の身長が伸びるといわれており、発育には欠かすことができません。
成長ホルモンの分泌量は、成長期である10代で最大のピークを迎え、その後徐々に減少していきます。40代になる頃には、10代の約半分程度まで低下するのが一般的です。
しかし、アルギニンの働きは成長ホルモンの分泌促進だけではありません。肌再生によって傷の修復をサポートしたり、健やかなお肌を保ったりする効果も期待されています。
また、体内で一酸化窒素(NO)の産生を高め、血管を広げて血の巡りを良くすることがアルギニンの大きな特徴といえるでしょう。
この血流促進作用は、ウイルスや細菌、がん細胞に対する抵抗力・免疫力アップをはじめ、疲労回復や動脈硬化予防にもつながることが、さまざまな研究で明らかとなっています。
その他、アルギニンの血流改善効果は「勃起不全改善」や「精子の運動性向上」にも大きく貢献するので、精力アップしたい男性も見逃せない栄養素です。
最近では、不妊症治療のサプリメントとしてもアルギニンに注目が集まっています。
アルギニンの含有量が多い食べ物って何がある?
アルギニンは、たんぱく質を構成するアミノ酸の一種です。
そのため、肉や魚、大豆製品といった「たんぱく質豊富な食べ物」に多く含まれています。
なかでも、アルギニンを摂取する際に欠かすことができないのが「肉類」です。アルギニン以外のアミノ酸もたっぷり含まれているため、効率よくアミノ酸を摂取するには積極的に取り入れたい食品のひとつでしょう。
特に、低脂肪・低カロリーの鶏むね肉は100gあたり2500mgものアルギニンを含むので、脂質制限やカロリー制限といった食事療法を行っている方にもおすすめです。
その他、鶏モモ肉では2100mg、豚ヒレ肉は2500mg、豚モモ肉なら2000mg、牛モモ肉は2100mg、牛ヒレ肉は1900mgものアルギニンを含みます。
もちろん、お肉の調理法や産地、部位などによってアルギニンの含有量は変化しますが、およそ100gで2000mg前後を摂ることができると思っていただいて構いません。
また、魚介類にもたんぱく質が豊富に含まれているので、アルギニンを摂りたいと考えている方にはおすすめの食べ物だといえるでしょう。
肉類よりは含有量が減少しますが、100gあたりのアルギニンは、エビで1800mg、カニは1600mg、かつおに1300mg、アジは1200mgとされています。特に甲殻類や青魚に多く含まれる傾向があるため、意識して食べるようにすると良いかもしれません。
大豆製品や乳製品にもアルギニンは含まれていますが、肉や魚のようにたくさん食べることができないため、サポート的なイメージで摂取することをおすすめします。
アルギニンの摂取目安量については、厚生労働省ではっきりとは示されていませんが、1日2000~4000mg以上が望ましいとされています。
また、大きな怪我をしている場合には、その傷を回復させるために大量のアルギニンが必要とされるため、およそ5000~7000mgの摂取を推奨する専門家もいるほどです。
アルギニンで血流を促進すると脳血管障害や脳卒中予防に
私たちの身体は、さまざまなストレスがかかると交感神経が優位となり、血管を収縮させて血圧や心拍数を上昇させる働きをもっています。
しかし、高血圧はさまざまな心疾患、脳疾患を引き起こす原因になってしまうため、「少しでも血圧を下げたい」と考えている人も多いでしょう。
そこで注目されているのがアルギニンです。
このアルギニンには、体内の一酸化窒素を増やす働きがあります。産生された一酸化窒素が血管を広げ、血管の余計な収縮を解消する効果が期待されているのです。
また、アルギニンをはじめとするアミノ酸は、直接的に血圧を下げる作用こそありませんが、血管自体を丈夫にする作用があります。
さらに、脳血管を広げて血栓症を防ぐ働きもあるため、脳血管障害から引き起こされる認知症や脳卒中を予防することにもつながるので見逃せません。
血液をサラサラにする働きもあるため、副次的に血圧が低下するといわれています。
男性の勃起力改善にアルギニンが効果的な理由
アルギニンは、男性の勃起力改善にも効果的だといわれています。その理由は、アルギニンの血流促進作用にあります。
アルギニンを摂取すると、私たちの体内に一酸化窒素が生成されます。この一酸化窒素には血管拡張効果があるため血液がしっかりと流れやすくなり、勃起力が高まるとされているのです。
さらに、アルギニンから作られる一酸化窒素には、ダメージを受けてしなやかさを失った血管を正常に修復する働きがあります。勃起不全や中折れで悩む男性の多くは、血管が固くなっているせいで血液の流れが悪くなり、勃起を持続させることが困難となっているケースも少なくありません。
これらの理由から、アルギニンを十分に摂取することによって、勃起に必要となる一酸化窒素を補い、性交渉に支障のない勃起力を取り戻せるようになると考えられています。
また、アルギニンには疲労回復効果も期待できるため「疲れが蓄積しすぎて勃起が維持できない」といった男性にもおすすめです。
アルギニンの豊富な食べ物を摂ると身長が伸びるって本当?
前述した通り、アルギニンには成長ホルモンの分泌を促す働きがあります。
さらに、アルギニンは成長ホルモンをつくる材料にもなるため、成長期の子供が身長を伸ばすためには欠かすことができない栄養素といえるでしょう。
ただし、身長を伸ばす働きがある「成長ホルモン」は、アルギニンだけを摂取していても正常に分泌されないこともわかっています。
成長に関わるアミノ酸は、アルギニン以外にも20種類以上も存在するのです。
これらが互いに連結することによって、健康な骨や筋肉の成長を促すといわれています。
特定の栄養素を過剰に摂取するのではなく、バランスの良い食生活を心がけるべきでしょう。
また、肉類や魚介類などの「食べ物」から摂取するアルギニンは、天然アミノ酸なので過剰摂取による健康被害はほとんど心配する必要はありませんが、サプリメントで補う際には分量に注意してください。
「成長ホルモンをたくさん分泌させたい」「背を伸ばしたい」といった理由でアルギニンを大量に摂取すると、消化器官に大きなダメージを与えて下痢や胃痛を引き起こすことがあります。
せっかく栄養素を口から摂取しても、消化不良や下痢を起こしてしまえば、摂取した栄養素が十分に吸収されないまま排出されてしまうので全く意味がありません。
さらに、一部のアミノ酸だけを多く摂取すると、体内のアミノ酸バランスが崩れてしまい「アミノ酸の相対的欠乏」を起こしてしまいます。
その結果、アルギニンの効果を低下させることにもなりかねないため、過剰摂取には十分注意すべきでしょう。
アルギニンの血液サラサラ効果で若々しい身体をキープ
私たち人間の身体には、無数の血管が張り巡らされています。血管は、全身に栄養や酸素を届ける役割を果たしていますが、年齢を重ねるごとに少しずつその働きが弱くなってくるものです。
加齢により、血管自体が固くなったりしなやかさを失ったりすると、身体の隅々まで栄養を行き届かせることができなくなるため、細胞の酸化やお肌の代謝低下などの老化現象が進行してしまうといます。
そこで注目されているのが、アルギニンの働きです。アミノ酸の一種であるアルギニンは、血管の老化を予防しながら、しなやかで弾力のある「若々しい状態」を維持する力を持っています。
実は、血管年齢と見た目年齢は大きな関連があり、血管が健やかな状態をキープできていると、お肌の調子も整う傾向があるといわれているのです。
さらに繰り返しになりますが、アルギニンには一酸化窒素の産生を助ける作用があります。血管が拡張され、血液がサラサラと流れるようになると、高血圧の改善や動脈硬化の予防、脳梗塞や心筋梗塞の予防にもつながるでしょう。
血管が健康な状態に保たれると、内側から若々しい身体をキープすることが可能になります。ぜひ、健康だけでなく美容面も気になる方はアルギニンを積極的に摂取することをおすすめします。
ただし、アルギニンは比較的「通常の食べ物」から摂取しやすいアミノ酸ですが、肉や卵、乳製品などから補給していると、脂質や飽和脂肪酸の摂取量が多くなってしまうというデメリットがあります。
脂質の摂り過ぎは、肥満や内臓脂肪の原因に直結するため注意しなくてはなりません。
効率よくアミノ酸を摂ることができるサプリメントや栄養ドリンクを上手に取り入れながら、アルギニン補給を行うのが良いでしょう。
アルギニンとシトルリンの相乗効果で血流アップ
アミノ酸の一種である「アルギニン」には、一酸化窒素の働きによる血管拡張作用があるとお話してきました。
しかし、アルギニン単体より「シトルリン」と呼ばれる成分と一緒に摂取すると、さらに血流を促してくれることがわかっているのです。
これは、アルギニンとシトルリンの相乗効果により、多くの一酸化窒素を生成することが大きな理由です。
シトルリンもアルギニンと同様、アミノ酸の一種です。1930年に日本でスイカの中から発見された成分だといわれています。特に皮部分に多く含まれており、血流改善効果や冷え症改善、むくみ防止、疲労回復、男性機能の改善など、あらゆる効果が期待されている栄養素です。
では、どうしてアルギニンとシトルリンを一緒に摂ると、劇的な効果が出るのでしょうか。
そのメカニズムは、次の通りです。
アルギニンが一酸化窒素を作り出す過程でシトルリンが生成されます。実は、このシトルリンは「アルギニン」として再利用することが可能なのです。シトルリンからできたアルギニンが再び一酸化窒素とシトルリンを作り出し、このサイクルが何度も起こるといわれています。
「そんなことをしなくても、アルギニンを多く摂ればいいのでは?」と疑問に感じた方もいるでしょう。
アルギニンやシトルリンのようなアミノ酸は、1種類を体内で一度に吸収する量が限られています。そのため、アルギニンだけを多く摂取しても余分なものは利用されずに体外へ排出されてしまうのです。
構造が異なる2種類に分けて摂ることで、アミノ酸を余すことなく、より大量の一酸化窒素の産生が可能になります。
シトルリンは、スイカなどの「ウリ科」の食べ物に多く含まれているアミノ酸ですが、通常の食生活で毎日のように食べることは難しいかもしれません。
また、アルギニンは肉や魚、乳製品、大豆製品などの食べ物に含まれていますが、大量に摂取しようと思うとどうしても脂質やコレステロールの摂り過ぎになりがちです。
このような場合には、アルギニンとシトルリンを同時に摂取することができるサプリメントを取り入れるのがおすすめです。
おすすめのサプリメント
血管拡張や血流改善効果を狙ってアルギニンを摂取する際には、効率よく一酸化窒素を生成させることがポイントだといわれています。
そのためには、十分な量のアルギニンとシトルリンを「同時摂取」するのがベストです。
ドクターズチョイス アルギニン5000シトルリン2000プラス
「ドクターズチョイス アルギニン5000シトルリン2000プラス」は、アルギニンが5000mgとシトルリンが2000mgも配合された「日本トップクラスの配合量」を誇るサプリメントです。特に、シトルリンをここまで贅沢に含有したサプリメントはドクターズチョイス以外にありません。
しかし、「いくらサプリメントでも味が苦手だと長続きしない」という方も多いでしょう。
このサプリメントは飲みやすいピーチ味になっているため、女性でも無理なく継続することができると好評です。
万が一、効果が実感できなければ、飲みきった後でも90日間返品保証が利用できます。が利用できます。それほどにも自信のある商品です。
まとめ
アルギニンは、一酸化窒素の産生により血管拡張を促して、血液をサラサラにする効果が注目されているアミノ酸の一種です。
このアルギニンは、肉類や魚介類、乳製品、大豆製品、鶏卵などに含まれているため食べ物からも十分摂取することが可能ですが、たくさん摂ろうと思うと脂質や飽和脂肪酸の摂り過ぎにつながってしまいます。
そのため、肥満を助長して逆に健康を害する恐れもあるのがネックです。
効率よく血流改善効果を得るためには、アルギニンとシトルリンが程よいバランスで配合されたサプリメントを選ぶのが、賢い方法といえるでしょう。
最近では、血行不良による冷え、むくみ、肩こりでお悩みの方はもちろんのこと、高血圧や動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞などの予防・対策として、アルギニンサプリメントを取り入れる方が増えています。
ぜひ、あなたも身体の中から「根本ケア」を始めてみてはいかがでしょうか。