【ドクタースコッツ監修】おすすめの認知症予防とは?日常生活に取り入れたい2つの習慣と葉酸の重要性
認知症を予防するには、ゲームやトレーニングなどさまざまな方法がありますが、もともとこれらの習慣がないと実行まで時間がかかるかもしれません。
しかし、認知症予防にはもっと簡単にそしてただで出来ることがあります。それが「水分補給」と「ウォーキング」です。そして認知症予防として行うウォーキングにはポイントがあります。また、忘れてはならないのが葉酸を摂取することです。
この記事では、認知症予防として行う水分補給とウォーキングのポイント、これらが認知症予防につながる理由と葉酸を摂取することの重要性を説明します。
この記事の監修ドクター
自然療法医 ヴェロニカ・スコッツ先生
ブラジルのリオグランデドスル・カトリック大学認定の自然療法専門医。アメリカ、カナダ、ブラジルの3カ国で認定された国際免許を取得しており、専門医として自然由来のサプリメントに関する知識と精密な現代科学のデータを組み合わせて診断や治療を行っています。自身のフィットネスインストラクターとしての16年間の経験を活かし、多くの患者が抱える肉体的な問題だけでなく、精神的な問題も含めて、自然由来のサプリメントを用いた新しい“先見的な予防医学”にも注力しています。
ただで出来る認知症予防
認知症になる人は、共通して以下が不足しているといわれています。
- 水分
- ビタミンD
- 運動
これらは脳の活性化に必要なものです。認知症を予防するには脳の働きを良くして脳の働きを止めないことが重要です。そこでおすすめなのが、十分な水分補給と、太陽光を浴びながら行う10分間の早歩きウォーキングをすることです。
1.十分な水分補給
認知症予防として身に付けたい習慣が、十分な水分補給です。
人間の体は60〜70%が水分だといわれています。水分によって細胞に栄養を届け、老廃物を尿として体外に排出し、気温が上昇すると皮膚から水分を蒸発させて、つまり汗をかいて体温を調節しています。このように、水分は私たちの身体機能を最適に保つために必要不可欠ですが、認知能力にも影響を与えています。
実際に、水分が失われたことで喉の渇きなど不快感が生じ、集中力や記憶力が低下するような経験がある人もいるのではないでしょうか?
これまでも、体の水分が2%以上失われると認知能力の低下がもたらされると考えられてきましたが、最近では1〜 2%の水分が失われただけでも認知能力を損なう可能性があることがわかってきています。
(参考サイト:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4207053/)
高齢者は水分不足になりやすい
人は高齢になると水分不足になる傾向があります。それは、歳を取るにつれて体の水分の割合が少なくなるためです。人間の体の60〜70%が水分だといわれますが、赤ちゃんでは約80%、成人で約60%、高齢者では約50%と歳とともに体の水分割合は減っていきます。その結果、高齢になると脱水症状が起こりやすくなるのです。
また、高齢になると脳の視床下部にあって喉の渇きを感じる「口渇中枢(こうかつちゅうすう)」の機能が低下します。すると喉の渇きを自覚しにくくなります。 喉が渇いているのがわからなくなるため、水分の摂取が遅れて水分不足になりやすいわけです。
私たちが「喉が渇いた」と感じるときにはすでに水分が失われている状態です。喉の渇きを感じる前に、こまめに水分補給することが大切です。
水分補給は認知症予防だけでなく認知症の症状を軽減
認知症を防ぐためには水分補給が欠かせないわけですが、認知症になった後でも十分な水分補給を行うことで症状が軽減する可能性があります。
実は、認知症の高齢者193名を対象に、1日の水分摂取量を増やして生活してもらったところ、80.6%のご家族が「認知症の症状が消失した」もしくは「ほとんどなくなった」と証言したという研究結果があります。
2.ウォーキング
認知症を予防するには、軽く負荷のかかる運動をすることも大切です。具体的な運動としてウォーキングをおすすめします。
イリノイ大学の研究では、座ったままの状態と軽い20分の散歩をしたあとの脳活動を比べると、20分軽い散歩をするだけで脳が大幅に活性化していることがわかったとされています。
また、2022年に行われたシカゴ大学による非常に興味深い研究があります。高齢者440名の普段の運動量を調べ、その後了承を得た上で亡くなった後にご遺体を解剖して脳の神経細胞や脳組織を調べたところ、高齢になっても運動をよくしていた人はそうでない人に比べて脳の神経細胞の繋がりが良好だったそうです。
認知症予防として行うウォーキングのポイント
ウォーキングを行う際は、以下で紹介する2つのポイントを意識してみてください。
太陽光を浴びながら行う
ウォーキングをする際は、太陽光を浴びながら行いましょう。太陽光(日光)を浴びると体内でビタミンDが生成されるためです。ビタミンDが少ないと認知機能が低下するといわれているため、太陽光を浴びることは認知症予防になるとされています。
米国神経学会において、ビタミンD不足の高齢者は認知症やアルツハイマー病を発症するリスクが増える可能性を示した研究が紹介されています。
1,658名の健康な高齢者を対象に血中のビタミンD濃度を測定した結果、正常な人に比べてビタミンD濃度が非常に低い人は認知症になるリスクが125%増え、アルツハイマー病になるリスクは120%増えたということです。(参考サイト)
ビタミンDを体内に取り入れるには食品から摂取する方法もありますが、その摂取目安は太陽光を浴びてビタミンDが生成されることを踏まえて決められているため、可能な範囲で適度な日光浴を心がけると良いでしょう。
10分間早歩きで行う
また、認知予防のためにウォーキングを行う場合は、最低10分間早歩きで行いましょう。
カンザス大学医療センターなどの複数の研究機関は、脳の老化を防ぐために非常に重要なのが1日平均最低10分の早歩きであると発表しています。運動時間が多いほど効果はみられ、ある程度体に負荷をかけることも重要ですが、脳の老化を防ぐための最低限の運動量が10分の早歩きというわけです。
(参考サイト:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4497726/)
認知症予防に欠かせない栄養素「葉酸」
「水分補給」と「太陽光を浴びながら行う10分間の早歩きウォーキング」は認知症予防になることが期待できますが、さらに効果的に認知症を予防するには毎日葉酸を摂取することが欠かせません。
私たち人間を含む生物は、成長するために日々細胞分裂を繰り返していますが、葉酸には細胞分裂を促す作用があるといわれています。そのため、葉酸は細胞分裂が活発に行われている胎児にとってとても重要なビタミンで、妊婦初期はサプリメントでの葉酸摂取が推奨されています。
しかし、これだけではありません。葉酸には、「ホモシステイン」という物質の血液中の濃度を低くする作用があり、注目されています。ホモシステインが多いと、認知症の発症リスクが高まるため、葉酸を積極的に摂取してホモシステインの濃度を低くすることは認知症の予防につながるといえるでしょう。
効率的に葉酸を摂取する方法
葉酸は食品から摂取することができますが、効率的に体内に取り入れるには、サプリメントで摂取するのがおすすめです。
葉酸はほうれん草などの葉物野菜や枝豆、ブロッコリー、きな粉や納豆、海苔、レバーなどさまざまな食品に含まれており、普段の食事で摂取しやすい栄養素です。しかし、水に溶ける水溶性のビタミンであることを知っておかなければなりません。つまり、茹でると水に溶けてしまうため、調理方法に注意する必要があるのです。
また、葉酸には食品に多い「ポリグルタミン酸型」とサプリメントで摂取できる「モノグルタミン酸型」があります。このうち、体内に吸収されやすいのはサプリメントのモノグルタミン酸型の葉酸です。食品に含まれる葉酸は、サプリメントの葉酸と比べて体内への吸収率が半分程度といわれています。
サプリメントで葉酸を摂取した方が効率的であるとお伝えした理由は、サプリメントであれば調理法を気にする必要もなく、吸収率の高い葉酸を摂取できるためです。
ドクターズチョイスの「オーガニック天然葉酸」は葉酸100%のサプリメントです。しかも、農薬が散布されていない野菜を原料としたオーガニックの葉酸です。安全に必要な葉酸をしっかり体に取り入れたいという方は、ぜひお試しください。