【医師監修】痛風の痛みを二度と経験したくない方必見!「炎症」と「痛み」を根本から解消する効果的な方法をお教えします。
ある日突然激痛!?痛風がコロナ禍で30%超増!
痛風とは、血液中の尿酸値が高まり、尿酸が結晶化し、関節にその結晶がどんどん溜まることで激しい炎症と痛みが起こる疾患です。
コロナ禍の中、暴飲暴食が増え、運動不足になる人が増え、痛風を発症する人が急上昇中。
尿酸値が高いまま放っておくと、一生涯、激痛の発作と付き合うことにもなりかねません。
尿酸結晶が溜まって激痛を起こす!
尿酸とは?
尿酸値対策と言えば「プリン体を控えること」というイメージが強いですよね。
体に悪いイメージのあるプリン体ですが、体の新陳代謝に必要な物質で、常に体内で作られています。プリン体はほかの動植物にも含まれており、食事からプリン体を摂取することもあります。
このプリン体が体内で分解されてできるのが尿酸です。
痛風を放置すると…
- 一生涯、痛風の発作と付き合うことになる場合もある
- 心疾患・脳疾患が起こりやすくなる
- 腎障害・腎不全まで進行する可能性あり
- 急に激痛が襲う(再発する)
痛風の治療法
- 痛風の原因となる高尿酸血症の解消にアプローチする方法
体内の尿酸の産出を抑える薬や尿酸を体外へ排出を促す薬を内服します。
※これらの薬には関節の痛みや腫れといった痛風の症状には効果がありません。 - 痛風の痛みにアプローチする方法
ステロイド剤、コルヒチンを投与します。
※痛風の根本的な治療にはならないだけではなく、副作用が心配です。
主な治療方法はこの二つで、その患者さんの状態によって、組み合わせることが多いです。
薬で治療した後でも3割の人が再発する
痛風発作時に処方される薬は、あくまでも痛みを抑えるための一時的な対処…
痛風が発症してから処方箋薬を服用しても2~4か月の間に3割程度の人が再発します。
米国内科学会の痛風治療のガイドラインの例
- コルヒチン、NSAIDs、ステロイド薬で痛風発作時の痛みを抑える。
- コルヒチンの副作用による胃腸症状は23%から77%の人に現れる。
- ステロイド薬によって高血糖や免疫抑制などの副作用がある。
- 痛風と診断された人が食事内容、節酒、減量の指導を受けることで尿酸値が下がると言える十分な証拠はない。
- 痛風と診断された人が尿酸値を下げる薬を使っても、6か月以内の痛風発作は予防できない。
- 尿酸値を下げる薬とともに低用量コルヒチンまたは低用量NSAIDsを使うことで、痛風発作の再発が減少する。
- アロプリノール(尿酸値を下げる薬、商品名ザイロリックなど)の副作用により、中毒性表皮壊死症、スティーブンス・ジョンソン症候群などの深刻な皮膚症状が出た例がある。
- 薬で尿酸値を下げる場合、どの程度まで下げるべきかどうかは、はっきりした証拠がない。
痛風を2度と経験したくないなら押さえておくべきポイント
痛風の痛みを抑える処方箋薬は、一時的には痛みは解消されますが、根本解決になりません。
痛風の再発を二度と経験したくなければ、以下のポイントを押さえましょう。
- 尿酸値を徐々に下げる
暴飲暴食は尿酸値を上げる原因となります。
加工食品や砂糖を多く使った食べ物、アルコールは控えましょう。
水を飲むと腎臓が尿酸を早く洗い流します。水を頻繁に飲むことをお勧めします。 - 体重管理をする
肥満は尿酸の代謝機能を低下させ、高尿酸血症を発症しやすくなります。これを放っておくと痛風を発症しやすいため、太っていると感じたら減量をお勧めします。 - 炎症と痛みを発症しないために尿酸結晶を体内に溜めない
炎症を抑えたり、結晶の蓄積を予防する天然成分を摂ることで、痛風の発作を阻止することも可能です。
痛風の痛みと炎症を根本的に解消する3つの天然成分
臨床実験で以下の成分が、尿酸値を下げ、痛風の炎症等に有効であることが明らかになっています。
日本ではあまり知られていない成分ですが、これらの成分をしっかり摂取することで、痛みと炎症を解消できます。
チャンカ・ピエドラ
腎臓結石の治療法として古くから使われていて「石を砕く」天然成分として有名です。
尿酸値のバランスを調整し、痛風の発作を防ぐことが分かっています。
腎臓結石に関するチャンカピエドラの有効性について
2018年の研究では、10mm未満の腎臓結石をもつ56人が参加。 12週間後、超音波検査を実施して、石を減らす際のチャンカピエドラの効果を評価しました。チャンカピエドラは、経口摂取した場合に安全であることがわかり、重大な副作用を引き起こしませんでした。さらに、チャンカピエドラは、尿中のシュウ酸塩と尿酸(尿を介して体から排出される老廃物)のレベルを下げることがわかっています。研究の著者は、チャンカピエドラが「高シュウ酸尿症[尿中のシュウ酸塩レベルの増加]および高尿酸尿症[尿中の尿酸の過剰量]の患者の尿中シュウ酸塩および尿酸の有意な減少を引き起こした」と結論付けました。チャンカピエドラの摂取は、尿路結石[腎臓結石]の除去に貢献したことが明らかになりました。
https://www.scielo.br/j/ibju/a/x7RJWhWWCk4TsT4k5SXzPLb/?lang=en
セロリ種子
セロリ種子は3nブチルフタリド(3nb)、ルテオリン、ベータセリネンが豊富に含まれ、この3つの化合物は、痛風発作の原因である炎症と尿酸酸性を抑えることが分かっています。
3nブチルフタリド(3nb)に関するセロリ種子の有効性について
3nブチルフタリド(3nb)は、痛風の炎症に対して効果の可能性があるセロリオイルに含まれる化合物です。最近では研究者たちが、特定の細胞を3nbに曝露すると、酸化ストレスと炎症誘発性経路の両方が減少することを発見しました。これらの結果は、セロリの種子が痛風関連の炎症を軽減するのに役立つ可能性があることを示しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5609149/
タルトチェリー
タルトチェリーのジュースはアメリカでは一般的な痛風対策です。
タルトチェリーやその抽出物が尿酸値を有意に下げたという研究が数多くあり、さらに、痛風の発作を緩和したり、回数や頻度を低めるという報告もされています。2011年の研究では、 100%タルトチェリージュースを4週間毎日8オンス飲んだ参加者が、血清尿酸濃度のレベルを大幅に減少しました。チェリージュースは、尿酸値を下げることができるだけではなく、痛風のある人にも有益であることがわかりました。
https://faseb.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1096/fasebj.25.1_supplement.339.2
痛風に関するチェリーの有効性について1
1日に1/2カップのチェリー(10-12個)か、チェリーのエキスを摂取した633人の痛風患者の35パーセントに痛風発作の減少が見られました。さらに多い量の、2日間に3回摂取したグループでは、50パーセントの減少が見られました。
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/art.34677/abstract
痛風に関するチェリーの有効性について2
2012年の研究では、チェリー濃縮果汁が体内で尿酸のレベルを低下させていることが分かりました。この研究では、尿酸レベルの低下において、チェリー抽出物が効果的であることを示唆しました。
痛風患者がチェリー濃縮果汁の摂取を開始してから4ヵ月以内に痛風発作の回数が有意に減少しました。チェリー濃縮果汁を飲んだ場合、痛風の再発を著しく減少させることがわかりました。
https://www.iomcworld.org/open-access/pilot-studies-of-cherry-juice-concentrate-for-gout-flare-prophylaxis-jahs.1000101.pdf
このほかにも、ターメリックやミルクシスル等、炎症を抑える効果がある成分を一緒に摂ることをお勧めします。
これらの天然成分を摂取することで、体に負担をかけず、尿酸値がコントロールできますので、痛風の再発予防にもつながります。
一生涯、痛風の痛みを経験しなくて済むよう、早めの対策を行いましょう。
まとめ
- 痛風の薬は根本的な解決策ではない。
- 痛風の発症は、一生付き合うことになる場合も多い。
- 早めの尿酸対策がカギ。
- 自分でできる痛風対策がある!
- 尿酸値対策には天然成分がおすすめ。
この記事の監修ドクター
自然療法医 ヴェロニカ・スコッツ先生
ブラジルのリオグランデドスル・カトリック大学認定の自然療法専門医。アメリカ、カナダ、ブラジルの3カ国で認定された国際免許を取得しており、専門医として自然由来のサプリメントに関する知識と精密な現代科学のデータを組み合わせて診断や治療を行っています。自身のフィットネスインストラクターとしての16年間の経験を活かし、多くの患者が抱える肉体的な問題だけでなく、精神的な問題も含めて、自然由来のサプリメントを用いた新しい“先見的な予防医学”にも注力しています。