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アトピー性皮膚炎患者に発症するリスクが高いカポジ水痘様発疹症。特に顔面や目の周囲に症状が出やすく、適切な治療を受けないと重症化や失明のリスクもある感染症です。
本記事では自然療法医の監修のもと、症状の特徴や部位による注意点、治療方法、そして再発を防ぐための予防法を解説。仕事や学校への復帰時期の目安なども含め、この病気に関する正しい知識と対処法を詳しく説明します。
この記事でわかること
- カポジ水痘様発疹症の症状と進行過程
- 顔面や目の周囲など、部位別の具体的な注意点
- 症状の段階に応じた適切な治療方法
- 仕事・学校への復帰時期の目安
- 再発予防のための生活習慣と対策
この記事の監修ドクター
自然療法医 ヴェロニカ・スコッツ先生
ブラジルのリオグランデドスル・カトリック大学認定の自然療法専門医。アメリカ、カナダ、ブラジルの3カ国で認定された国際免許を取得しており、専門医として自然由来のサプリメントに関する知識と精密な現代科学のデータを組み合わせて診断や治療を行っています。自身のフィットネスインストラクターとしての16年間の経験を活かし、多くの患者が抱える肉体的な問題だけでなく、精神的な問題も含めて、自然由来のサプリメントを用いた新しい“先見的な予防医学”にも注力しています。
カポジ水痘様発疹とは?
カポジ水痘様発疹(カポジすいとうようほっしん)はウイルスによる疱疹が広範囲に現れる皮膚感染症です。
基礎疾患として皮膚に炎症のある患者がその患部からウイルスに感染することで発症します。
カポジ水痘様発疹を引き起こしてしまう基礎疾患とウイルスには様々な組み合わせがありますが、アトピー性皮膚炎を基礎疾患にヘルペスウイルスに感染してしまう症例がほとんどとなっています。
基礎疾患の例 | 原因ウイルスの例 |
---|---|
アトピー性皮膚炎 | ヘルペスウイルス |
熱傷(やけど) | コクサッキーウイルス |
ダリエ病(毛包性角化異常症) | ワクチニアウイルス |
基礎疾患により肌のバリア機能が弱っていること、さらにかゆみや疼きから掻いてしまうことにより症状の範囲が急速に拡大してしまうことが特徴となります。
皮膚が薄くアトピー性皮膚炎を発症しやすい0~5歳に多く発症しますが、条件が揃えばどの年齢層でも発症します。近年では成人のアトピー性皮膚炎患者が増えているため、成人でもカポジ水痘様発疹の発症率が高くなってきています。
この記事では、アトピー性皮膚炎とヘルペスウイルスを原因とするカポジ水痘様発疹に焦点を当て、症状や原因、治療法などを紹介していきます。
カポジ水痘様発疹の症状
カポジ水痘様発疹は下記のように症状が進行します。
カポジ水痘様発疹の症状の進行
・アトピー性皮膚炎により傷ついた皮膚からヘルペスウイルスが侵入
・皮膚が赤く腫れる
・中央にへこみのある小さな水ぶくれが大量にできる
・個々の水ぶくれはやがてかさぶたになる
・3週間ほどで治癒する
*初感染では症状が重症化し発熱やリンパ節の腫れがともなうことも
患部は顔面や上半身などアトピー性皮膚炎の起こりやすい部位となり、痛みや疼き、かゆみをともなうこともあります。
基礎疾患により肌のバリア機能が下がっているため、触ってしまうと患部が急速に拡大してしまいます。
好発部位と症状の特徴
カポジ水痘様発疹症は特定の部位に好発する傾向があります。特に注意が必要な部位と症状の特徴は以下の通りです:
部位 | 症状の特徴 | 注意点 |
---|---|---|
顔面全体 | ・発赤、腫れが目立つ ・水疱が密集して出現 ・かさぶた形成後に色素沈着が残りやすい |
・化粧品の使用は控える ・日焼け対策が重要 ・保湿ケアを丁寧に |
目の周囲 | ・むくみやすい ・違和感が強い ・角膜への感染リスクあり |
・清潔な手で目の周囲のケア ・コンタクトレンズは使用中止 ・早期の眼科受診を検討 |
首から上半身 | ・発疹が広がりやすい ・衣服との摩擦で悪化 |
・ゆるめの衣服を着用 ・こすらない・かかない |
特に顔面と目の周囲は注意が必要です。目の周囲に症状が出た場合、角膜ヘルペスに進展する可能性があるため、早めの治療をお勧めします。
カポジ水痘様発疹の原因
「カポジ水痘様発疹とは?」でも述べたとおり、カポジ水痘様発疹はアトピー性皮膚炎の患部から経皮的にヘルペスウイルスに感染してしまうことで発症します。
ヘルペスウイルスには様々な種類がありますが、カポジ水痘様発疹を引き起こしてしまうのは単純ヘルペスウイルス1型と2型となります。
ヘルペスウイルスの種類 | 病気 |
---|---|
水痘・帯状疱疹ウイルス | 水痘(水ぼうそう)、帯状疱疹 |
単純ヘルペスウイルス1型 | 口唇ヘルペス、ヘルペス性歯肉口内炎、ヘルペス性角膜炎、カポジ水痘様発疹、性器ヘルペス、ヘルペス性脳炎 |
単純ヘルペスウイルス2型 | 性器ヘルペス、臀部ヘルペス、ヘルペス性髄膜炎、カポジ水痘様発疹 |
カポジ水痘様発疹を通してヘルペスウイルスに初感染する場合が多くなりますが、必ずしも初感染のみに起こるとは限らないことが分かっています。
カポジ水痘様発疹患者
- ヘルペスウイルス初感染(他人からの感染)…34%
- ヘルペスウイルス感染経験者…66%
- カポジ水痘様発疹の再発…13.2%
- 口唇ヘルペスなどのヘルペス感染症経験者…9.4%
ヘルペスウイルスによる感染症は水ぶくれなどの症状が一度治癒した後もウイルス自体は神経節に潜伏し続け、感染者の免疫力が低下すると再活性化することが知られています。
近年では成人におけるアトピー性皮膚炎の重症患者が増えていることもともなって、成人のカポジ水痘様発疹の発症・再発の割合が増えています。
症状が似ている皮膚炎
カポジ水痘様発疹と症状が似ている病気は複数あり、長年の経験がある皮膚科医でも目視だけでは判別が難しい場合があります。
皮膚炎 | カポジ水痘様発疹 | 帯状疱疹 | アトピー性皮膚炎 | とびひ |
---|---|---|---|---|
症状 | ウイルス感染部位から経皮的に発疹や水ぶくれが広がる | 胴体の神経を伝って帯状に発疹や水ぶくれが広がる | かゆみをともなう赤みのある湿疹が広がる | 虫刺されやあせもを掻いた傷から細菌が感染し、水ぶくれや膿をもつ湿疹が広がる |
部位 | 顔面や上半身 | 胸、背中、腹部 | 顔面や上半身 | 全身 |
原因 | ヘルペスウイルス(単純ヘルペスウイルス1型・2型) | ヘルぺスウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス) | アレルギー物質 | 細菌 |
治療法 | 内服抗ウイルス薬(重症の場合は点滴) | 内服・外用抗ウイルス薬 | ステロイド | 内服・外用抗菌薬、ステロイド |
症状が似ている皮膚炎に注意しなければならないのは、治療法が全く異なる場合があるためです。
カポジ水痘様発疹と帯状疱疹はいずれもヘルペスウイルスを原因としているため、誤診があったとしてもそれほど問題にはなりませんが、アトピー性皮膚炎やとびひと誤診された場合はステロイドが処方されてしまい症状が悪化してしまう場合があるため注意が必要となります。
なぜステロイドはカポジ水痘様発疹を悪化させるの?
ステロイドはアレルギー物質に対する免疫の過剰反応による炎症を抑える効果があります。虫刺されやアトピー性皮膚炎などアレルギー反応による炎症に有効な治療方法です。
一方でカポジ水痘様発疹ではウイルス感染が水ぶくれなどの症状の原因となっています。「カポジ水痘様発疹の原因」でも述べた通り、単純ヘルペスウイルスは初感染後に症状が治癒した後も感染者の神経節に潜伏し、風邪やストレスなどで免疫力が低下するたびに活性化します。そのためカポジ水痘様発疹をアトピー性皮膚炎などと誤診してステロイドを使用してしまうと、免疫力が抑制されるためにウイルスが強力となり症状が悪化してしまう危険性が高くなります。
誤診を防ぐためにも口唇ヘルペスなどヘルペスウイルスによる感染症を経験したことがあったり、家族に感染者がいる場合は必ず皮膚科医に伝えましょう。
またアトピー性皮膚炎やとびひと診断された上でカポジ水痘様発疹を疑う場合は精密検査を要請するか、他の皮膚科医にセカンドオピニオンを求めるなどしましょう。
カポジ水痘様発疹はうつる?自己感染する?
カポジ水痘様発疹では患部がかさぶたとなりはがれ落ちるまではウイルスが排出されている危険性があるため、他の人にうつってしまう可能性があります。
カポジ水痘様発疹では他者、特に同居している家族へうつることに注意しなければなりません。全身に症状が及んでいる場合には他者へうつることを防ぐことが大変難しくなり、また処方箋だけでは治療が不十分であるために入院が必要になることもあります。皮膚科を受診したうえで処方箋のみで治療を行うことになった場合、下記の点に注意して他者へうつることを防ぎましょう。
他者へうつることを防ぐための注意点
- 患部に触らない
- 患部に触ったらすぐに手を洗う
- 他者との接触を避ける(特にヘルペスウイルスに抵抗力が少ない0~5歳児)
- タオルや寝具、食器などを共有しない
- 他者への感染の危険性がなくなるまで学校や仕事は休む
- バスケットボールや柔道 などの接触スポーツに参加しない
カポジ水痘様発疹を含めヘルペスウイルスを原因とする感染症の自己感染で一番注意しなければいけない部位は眼球です。
眼球は粘膜が薄いためウイルスが簡単に細胞に侵入しやすく、角膜ヘルペスという失明の恐れもある重症の感染症に発展してしまう恐れがあります。
カポジ水痘様発疹においては顔面全体に症状がひろがってしまうこともあるため、特に角膜ヘルペスの危険性が高まってしまいます。下記の点に注意しましょう。
自己感染を防ぐための注意点
- 患部に触らない
- 患部に触ったらすぐに手を洗う
- 顔面に抗ウイルス軟膏を使用する際は、まず清潔な手で目の周囲に軟膏を塗布してから他の部位に塗布する
- 症状が完全に治癒するまではコンタクトレンズの使用は控える
- 入浴後は患部とその他の部位で別々のタオルを使用する
仕事や学校はいつから復帰できる?
カポジ水痘様発疹症は感染性が高く、また症状の程度によって回復期間が異なるため、職場や学校への復帰時期は慎重に判断する必要があります。
職場・学校復帰の目安
軽症(限局的な症状)の場合:
- 全ての水疱がかさぶたになってから
- 通常1〜2週間程度
重症(広範囲の症状)の場合:
- 全てのかさぶたが剥がれ、新しい皮膚になってから
- 通常2〜4週間程度
※医師による診断のもと、個々の症状に応じて判断が必要です
復帰後も以下の点に注意が必要です:
復帰後の注意点
- マスクの着用(顔面に症状がある場合)
- 激しい運動は控える(発汗による症状悪化を防ぐ)
- デスクや備品の消毒
- 定期的な手洗い、手指消毒
- 体調管理の徹底(免疫力低下による再発予防)
受診時に確認すべきこと
職場や学校に提出が必要な書類がある場合は、以下の点を医師に確認しましょう:
- 就業・就学制限の期間
- 復帰可能な条件(かさぶた化、完治など)
- 必要な証明書の種類
- 業務制限の有無(重労働、接客業務など)
- 再発予防のための注意事項
症状が完全に治癒する前に無理に復帰すると、症状の悪化や他者への感染リスクが高まる可能性があります。医師と相談の上、適切な時期を見極めることが重要です。
カポジ水痘様発疹方の治療法
カポジ水痘様発疹の治療法は症状の度合いで変わってきます。
軽症(患部が一部に限られている場合)
抗ウイルス薬の内服(アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビルなど)
重症(患部が広範囲にわたる場合
入院治療
抗ウイルス薬(アシクロビル)の点滴
カポジ水痘様発疹発症中は肌のバリア機能が非常に弱く細菌への抵抗力がなくなるため、二次的に細菌感染を重複してしまう場合があります。その場合には抗菌薬を処方されますが、細菌感染がなくても予防として処方される場合もあります。
カポジ水痘様発疹症は自然治癒する?
カポジ水痘様発疹症は適切な治療を行わない場合でも3〜4週間程度で自然治癒する可能性はあります。しかし、以下の理由から必ず適切な治療を行うことが推奨されます。
自然治癒に任せることのリスク
・症状の重症化のリスク
- 広範囲に症状が拡大する可能性
- 二次感染のリスクが高まる
- 発熱などの全身症状を伴う可能性
・合併症のリスク
- 角膜ヘルペスなどの重篤な合併症の危険性
- 永続的な瘢痕(はんこん)が残る可能性
・他者への感染リスク
- 家族など周囲の人への感染の可能性
- 特に免疫力の弱い乳幼児への感染リスク
治療を受けるメリット
抗ウイルス薬による適切な治療を受けることで、以下のようなメリットがあります:
メリット | 詳細 |
---|---|
症状の早期改善 | 通常1〜2週間程度で改善が見られます |
合併症リスクの低減 | 重篤な合併症を防ぐことができます |
後遺症の予防 | 瘢痕などが残るリスクを軽減できます |
感染拡大の防止 | 他者への感染リスクを抑えられます |
再発リスクの低減 | 適切な治療により再発を予防できます |
アトピー性皮膚炎の患者さんは、免疫機能が低下している場合が多く、自然治癒を待つことでかえって症状が重症化するリスクが高くなります。早期発見・早期治療が重要となります。
早期受診のポイント
以下の症状がある場合は、すぐに皮膚科を受診しましょう:
・水疱やかゆみが急速に広がる
・38度以上の発熱がある
・患部が痛む、または熱を持つ
・顔面に症状がある
・目の周りに違和感がある
カポジ水痘様発疹症の回復過程と対処法
第1段階:初期症状期(1-3日目)
- 🔴 皮膚の発赤とかゆみが出現
- 🌡️ 軽度の灼熱感や違和感
- 🔍 リンパ節の腫れが現れることも
- 清潔な環境を保つ
- 患部を清潔な布で保護
- 処方された抗ウイルス薬の服用開始
第2段階:水疱形成期(4-7日目)
- 💧 透明な水疱が多数出現
- ⭕ 中心部がへこんだ水疱が特徴的
- 😣 痛みやかゆみが強くなる
- 水疱を破らないよう注意
- 処方された軟膏を丁寧に塗布
- 入浴後は清潔なタオルで優しく拭く
第3段階:かさぶた形成期(8-14日目)
- 🟤 水疱が乾燥しかさぶたに変化
- 😫 かゆみが最も強くなる時期
- かさぶたを絶対に剥がさない
- 保湿剤で乾燥を防ぐ
- 清潔な綿手袋の着用を検討
第4段階:治癒期(15-21日目)
- ✨ かさぶたが自然に剥離
- 🌱 新しい皮膚が形成
- 日光対策を徹底(新しい皮膚は紫外線に弱い)
- 保湿ケアを継続
- 色素沈着が気になる場合は皮膚科医に相談
症状別の具体的な対処法
かゆみへの対処
❄️ 冷却方法
- 清潔なタオルで冷やす(10分程度)
- 保冷剤を清潔なタオルで包んで使用
- 室温を28度以下に保つ
痛みへの対処
💊 薬物療法
- 医師に相談の上で適切な鎮痛剤を選択
- 処方された用量・用法を厳守
- 市販薬の安易な使用は避ける
発熱時の対処
🌡️ 基本的な対応
- こまめな水分補給(1日2L程度)
- 十分な休息をとる
- 室温管理(28度前後)を心がける
再発予防のための生活習慣チェックリスト
スキンケア管理 🧴
生活習慣の改善
食事管理 🍎
環境管理 🏠
重要な注意事項 ⚠️
- 📝このチェックリストは目安です。個人の状態に応じて医師に相談の上、調整してください。
- ⏰一度にすべての項目を実施するのではなく、無理のない範囲で徐々に習慣化していきましょう。
- 🔄定期的に進捗を確認し、必要に応じて項目を見直してください。
- 🏥症状の悪化や不安がある場合は、すぐに医師に相談してください。
カポジ水痘様発疹の予防方法
「カポジ水痘様発疹の原因」でも紹介した通り、カポジ水痘様発疹はアトピー性皮膚炎を発症している間に患部に単純ヘルペスウイルスが接触することで感染します。
アトピー性皮膚炎は慢性化し繰り返しやすいことで知られていますが、ヘルペスウイルスは一度治癒した後も神経節に潜伏し免疫力が低下する度に再活性化する特性があるため、人によってはカポジ水痘様発疹を繰り返してしまうこともあります。
カポジ水痘様発疹を予防するには、アトピー性皮膚炎の発症予防とヘルペスウイルスの抑制を同時に行うことが大切となります。後続の「アトピー性皮膚炎を予防するには」と「ヘルペスウイルスを抑制するには」でその方法を詳しく紹介していきます。
アトピー性皮膚炎を予防するには
アトピー性皮膚炎を予防するには下記を実行しましょう。
① アレルギー物質を取り除く
原因となるアレルギー物質が分かっている場合はそれを取り除く努力をしましょう。アレルギー物質が空気中にある場合は掃除や換気、洗濯をこまめにする他、定期的にクーラーや換気扇のフィルターも交換しましょう。(アレルギー物質の例: ダニ、ペットの毛、ほこり、花粉)
② 肌を清潔に保つ
汗やほこり、雑菌などの汚れは肌への刺激となり炎症やかゆみを引き起こします。刺激の少ない洗浄料をしっかり泡立て、素手でやさしく洗い、ぬるま湯で十分に洗い流しましょう。
③ 肌を保湿する
乾燥は肌のバリア機能を低下させ刺激に弱い状態にします。入浴後や外出の前後など1日数回保湿剤を使用することで肌のうるおいを保ちます。皮脂が少ない部位や衣類との摩擦が起こりやすい部位は乾燥しやすいために特に気を付けましょう。
④ 肌に良い栄養素を摂取する
肌に良い栄養素として有名なものにビオチンやビタミンCなどがあります。ビオチンは比較的簡単に摂取でき腸内細菌でも生成されるビタミンであるため通常欠乏することはあまりありません。しかしアトピー性皮膚炎の患者では欠乏しやすく、さらにビオチンの欠乏状態が続くとアトピー性皮膚炎になりやすいという悪循環もあるため食品やサプリメントで積極的に摂取しましょう。(ビオチンを多く含む食品の例: レバー、ししゃも、あさり、しいたけ、まいたけ、ピーナッツ)
⑤ 腸に良い栄養素を摂取する
アトピー性皮膚炎を繰り返してしまっている場合は乳酸菌を摂取して腸粘膜を強化することが重要となります。2002年の日本消化器病学会の発表によると、15人の重症のアトピー性皮膚炎患者のうち13人で大腸に慢性的な炎症があることが分かりました。腸の粘膜に炎症があると通常は未消化物として腸内に留まるべき物質が血液に吸収され、それが異物として免疫反応の対象となりアトピー性皮膚炎を引き起こすと考えられています。腸内環境を整えることはビオチンなどの肌に良い栄養素の吸収率を上げることにも繋がり相乗効果も期待できます。(乳酸菌を多く含む食品の例: ヨーグルト、乳酸菌飲料、納豆、味噌)
ヘルペスウイルスを抑制するには
ヘルペスウイルスを抑制するには下記を実行しましょう。
① 免疫力を強化する
ヘルペスウイルスは感染者の免疫力が弱くなると再活性化するため、十分な睡眠をとる、健康的な食事をとるなど基本的なことに気を付けて免疫力を強化することが有効となります。
② カフェインの摂取量を抑える
カフェインを過剰摂取すると抗炎症作用により免疫力が低下してヘルペスウイルスが活性化してしまうことが分かっています。カフェインの覚醒作用を利用して睡眠不足になったり、身体にたまり続ける疲労に気が付けない状態自体も免疫力を低下させる要因となることからもカフェインの摂取は控えましょう。
③ 紫外線対策を行う
日焼けは肌のバリア機能を弱めてしまいます。皮膚表面にはランゲルハンス細胞という免疫細胞がありますが、このランゲルハンス細胞は紫外線に弱くダメージを受け免疫機能を弱めてしまいます。特に唇は皮膚も薄く紫外線のダメージを受けやすい部位でもあるため日焼け止め効果のあるリップクリームを塗るなど対策を行いましょう。
④ アルギニンの摂取量を抑え、リシンを積極的に摂取する
アミノ酸の1種であるアルギニンはヘルペスウイルスの栄養となりウイルスが増殖しやすい状態を作ることが分かっています。ただしアルギニンは人体に必要な栄養素でもあるため、アルギニン不足も問題となります。アメリカの臨床実験ではアルギニンと構造が似ているアミノ酸であるリシンをアルギニンよりも多く摂取することでヘルペスウイルスを原因とする感染症を予防することができると証明しています。リシンは肌を構成するアミノ酸でもあるために肌のバリア機能を高めるという意味でも大変有効な栄養素となります。
おすすめのサプリメント
カポジ水痘様発疹の予防にはアトピー性皮膚炎の予防・改善とヘルペスウイルスの抑制の両方が効果的となります。「アトピー性皮膚炎を予防するには」や「ヘルペスウイルスを抑制するには」で紹介したような予防対策と併せてサプリメントを活用することをおすすめします。
ドクターズチョイス ビオチン療法セット
「アトピー性皮膚炎を予防するには」でも紹介したとおり、肌に良い栄養素と腸に良い栄養素を摂取することはアトピー性皮膚炎の予防において大変有効となります。実はビオチン、ビタミンC、そして善玉菌(乳酸菌)を組み合わせて摂取することはアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患の民間療法としてよく知られており、「ビオチン療法」とも呼ばれています。ドクターズチョイスのビオチン療法セットはビオチン5000プラスとフローラケアプラスの2つのサプリメントのセットとなります。
ビオチン5000プラスにはビオチン療法に不可欠であるビオチンとビタミンCだけではなくビタミンB-6、ビタミンE、パントテン酸をはじめビオチンの効果を最大限に引き出す栄養素を多数配合しています。ビオチンは臨床実験に基づき5,000mcgと高配合となっています。
フローラケアプラスは腸内フローラケア専用の善玉菌サプリメントです。腸の粘膜を強化しアトピー性皮膚炎との関連性がある腸の炎症を鎮めるだけではなく、ビオチンの吸収を助けるのに有効な善玉菌も配合されています。1粒に4種のビフィズス菌と8種の乳酸菌の合計500億個の善玉菌、そしてそれら善玉菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維も配合されています。
ドクターズチョイス リシン+プラス
カポジ水痘様発疹をはじめ、ヘルペスウイルスを原因とする病気ではリシンが有効であることが分かっています。
臨床実験ではリシンを1日1,000mg以上摂取することでヘルペスウイルスを原因とする病気の発症率を下げられることが証明されていますが、ドクターズチョイスのリシン+プラスは3粒でこの量を手軽に摂取することができます。さらにヘルペスウイルス対策専用に亜鉛、ビタミンC、バイオフラボノイドも配合されているため相乗効果により免疫力が強化され、さらに皮膚の修復を早める効果も期待できます。
カポジ水痘様発疹はアトピー性皮膚炎で肌のバリア機能が下がっている時にヘルペスウイルスが活性化してしまうと発症します。これらのサプリメントでアトピー性皮膚炎とヘルペスウイルスのそれぞれをコントロールし、カポジ水痘様発疹を2度と繰り返さなくて良い日々を手に入れましょう。
カポジ水痘様発疹症 Q&A
- 水疱が集中して出現する
- アトピー性皮膚炎の患部に好発する
- 発熱を伴うことがある
- かゆみや痛みを伴う
- 皮膚疾患がある部位に集中して発症する傾向
- カポジ水痘様発疹症
- 伝染性膿痂疹(とびひ)
- アレルギー性接触皮膚炎
- 虫刺され
- 抗ウイルス薬(アシクロビルなど)
- 抗菌薬(二次感染予防)
- 外用薬(軟膏・クリーム)
- 抗ウイルス薬による内服治療
- 外用薬による局所治療
- 安静の保持
- 清潔保持
- 二次感染予防のための対策
まとめ
カポジ水痘様発疹はアトピー性皮膚炎を基礎疾患に、ヘルペスウイルスに経皮的に感染することで引き起こされる皮膚疾患です。
水ぶくれがかさぶたとなり、新しい皮膚ができるまでは3週間以上かかりますが、その期間は感染力があるために患部をひろげてしまったり家族に感染させてしまわないように細心の注意を払う必要があります。患部が広範囲にわたり重症となる場合には入院治療が必要となることもあります。
治療法には抗ヘルペスウイルス薬が使用されますが、予防対策としては基礎疾患となるアトピー性皮膚炎と水ぶくれなどの症状の原因となるヘルペスウイルスを抑制することが重要となります。アレルギー物質を取り除くなど環境を整え、さらに肌を刺激から守る他にもサプリメントを活用して身体の内側から対策を行うことも有効となります。
一度発症してしまうと生活に大きな支障を与えてしまう疾患であるからこそ、再発のリスクがある場合は予防対策を万全に行いましょう。