【ドクタースコッツ監修】デリケートゾーンの不快感から解放されるためには、デーデルライン桿菌・ロイテリ菌を摂取しましょう!
この記事の監修ドクター
自然療法医 ヴェロニカ・スコッツ先生
ブラジルのリオグランデドスル・カトリック大学認定の自然療法専門医。アメリカ、カナダ、ブラジルの3カ国で認定された国際免許を取得しており、専門医として自然由来のサプリメントに関する知識と精密な現代科学のデータを組み合わせて診断や治療を行っています。自身のフィットネスインストラクターとしての16年間の経験を活かし、多くの患者が抱える肉体的な問題だけでなく、精神的な問題も含めて、自然由来のサプリメントを用いた新しい“先見的な予防医学”にも注力しています。
デーデルライン桿菌とは?
デーデルライン桿菌は、健康な女性の膣に存在する常在菌です。デーデルライン桿菌は特定の菌につけられた名称ではなく、いくつかの菌の集まり(細菌叢・フローラ)です。アルベルト・デーデルラインというドイツの産科医が発見したことにちなんで、このように呼ばれています。
デーデルライン桿菌は、女性ホルモンの働きによって膣上皮に蓄積されたグリコーゲンを栄養源にして、乳酸を作り出します。この乳酸によって膣の中は強い酸性に保たれ、病原体の増殖を抑制します。デーデルライン桿菌によるこの働きを、膣の自浄作用といいます。ちなみに、代謝によって乳酸をつくり出す菌のことを乳酸菌といいますので、デーデルライン桿菌は乳酸菌です。
膣の自浄作用が低下することによる症状
膣の自浄作用が低下すると、膣に侵入した病原体が増殖してしまいます。それによって膣に炎症が起こると、かゆみやおりものの変化などの症状が現れます。この状態は医学的に膣炎または膣症と呼ばれ、代表的なものにはカンジタ膣炎・細菌性膣症・トリコモナス膣炎があります。
カンジタ膣炎
カンジタ膣炎は、女性の5人にひとりは経験したことがあるといわれる身近な病気で、カンジタという真菌(カビ)の増殖によって起こります。カンジタ菌は元々人の体にいる常在菌で、抵抗力があるときには害を及ぼしませんが、膣の自浄作用が低下すると増殖して膣炎を引き起こします。性交渉によってカンジタ膣炎を発症することはまれで、自分のもっているカンジタ菌が原因になることがほとんどです。また、治癒しても度々再発することが多く、罹患した人のうち約7割が再発を経験しているといわれています。
カンジタ膣炎の症状として典型的なものは、強いかゆみと白くてポロポロとしたおりものです。このおりものは、酒かす状・カッテージチーズ様・粥状などと表現されます。
細菌性膣症
細菌性膣症とは、様々な細菌の増殖によって起こる膣炎です。その多くは普段から体にいる常在菌ですが、複数の細菌が増殖している状態なので原因菌を特定できないことが特徴です。カンジタやトリコモナスなど、他に明らかな病原体がいないことで診断されます。
細菌性膣症によるかゆみには個人差があり、ほとんど感じない程度のものから強いかゆみを感じるものまで、様々な状態がみられます。おりものは、灰色がかった色になって量が増え、魚が腐ったようなにおいがします。
トリコモナス膣炎
トリコモナス膣炎は、トリコモナス原虫が増殖することによって起こります。トリコモナス原虫は普段は体内にいない病原体ですが、感染していても膣の自浄作用が高ければ発症しないこともあります。このトリコモナス原虫は主に性交渉で感染しますが、浴室の椅子やタオルなどによる接触感染もあり得ます。治癒しても性交渉のパートナーから再度感染する「ピンポン感染」を起こしやすい病気です。
トリコモナス膣炎の症状は、強いかゆみと悪臭の強いおりものです。おりものは量が増え、黄色く泡立った状態になることが特徴です。
膣の自浄作用が低下する原因
膣の自浄作用は、デーデルライン桿菌の減少または病原体の増殖によって、膣内の細菌バランスが崩れることで低下します。膣の自浄作用が低下する原因としては、以下のようなものがあります。
・疲れ・風邪・ストレス
これらによって免疫力が低下すると、病原体が増殖しやすくなります。
・抗生物質の使用
抗生物質は、使用目的の菌だけでなくデーデルライン桿菌も殺菌してしまいます。
・ホルモンバランスの変化
月経前・妊娠中・ピルの服用中はホルモンバランスが変化するため、膣内がアルカリ性に傾きやすくなります。それによって、病原体が増殖しやすくなります。
・加齢
デーデルライン桿菌は、年齢を重ねるごとに比例して減少します。
・糖尿病
血糖値が高いと免疫にかかわる細胞が十分に機能しなくなるので、病原体が増殖しやすくなります。
・陰部の不衛生
陰部が清潔でない場合、病原体が増殖しやすくなります。
・陰部の洗いすぎ
陰部を洗いすぎると、デーデルライン桿菌も流されて減少します。
・陰部の高温多湿
通気性の悪い下着や締め付けの強い衣類などによって陰部が高温多湿の状態になると、病原体が増殖しやすくなります。
膣の自浄作用を高めるための方法
膣の自浄作用を高めるためには、病原体が増殖しにくい環境をつくること・デーデルライン桿菌を減少させないことが必要です。具体的な対策としては、以下のようなものがあります。
・免疫力を維持する
バランスの取れた食事、十分な休息、ストレスコントロールなどによって、免疫力が低下しないようにすると、病原体の増殖を予防できます。
・陰部を清潔に保つ
外陰部は毎日洗浄し、排泄後は前から後ろ(尿道口・膣から肛門に向かって)に拭きましょう。これは、肛門周囲に多く付着している病原体を膣側に持ってこないようにするためです。
・陰部が高温多湿になることを防ぐ
通気性のよい下着・締め付けの少ない衣類を着用し、汗をかいたら速やかに着替えましょう。また、ナプキンなどのシートはこまめに交換することで、病原体が好む高温多湿の環境をつくらないようにします。
・陰部を洗いすぎない
外陰部は低刺激の石鹸を泡立てて優しく洗い、膣の中は洗わないようにしましょう。これによって、デーデルライン桿菌が洗い流されることを防ぎます。
・乳酸菌を摂取する
ヨーグルトなどの発酵食品に含まれる乳酸菌には、腸内環境を整えて免疫力を向上させる効果があるため、摂取することで病原体が増殖しにくい環境をつくることができます。また、同じ乳酸菌でもデーデルライン桿菌そのものを含有したサプリメントを摂取すれば、デーデルライン桿菌を増やすことができます。
膣炎・膣症に対する治療
膣炎・膣症でも症状の軽い状態であれば、膣の自浄作用が向上すれば自然に治まる場合もあります。ですが、症状が強い場合には苦痛が大きいですし、炎症が拡大したり長期に及んだ場合には不妊などの重大な弊害が生じる可能性もありますので、病院での治療が必要です。また、膣炎・膣症と似た症状の他の病気もありますので、初めて症状が出た場合には自己判断せず、受診をして医師の指示を仰ぐことが大切です。病院で行われる膣炎・膣症の治療は、病原体を殺すための抗生物質と症状を緩和するための軟膏の投与です。
・抗生物質
病原体の種類に応じた抗生物質が投与されます。内服・膣へ挿入する薬(膣錠・膣坐薬)のどちらか、または両方を使用します。場合によっては、抗生物質の軟膏を併用することもあります。抗生物質の使用期間は、膣炎・膣症の種類や程度によりますが、1日~7日間ほどです。
・局所の症状に対する軟膏
外陰部の炎症やかゆみが強い場合には、それらを抑える副腎皮質ホルモン(ステロイド)などの軟膏を使用します。
ロイテリ菌とは?
デーデルライン桿菌はいくつかの乳酸菌の集まりですが、この中にロイテリ菌というものがあります。このロイテリ菌が、とても優秀な善玉菌であるとして注目されています。
ロイテリ菌は、ロイテリンという抗菌物質をつくります。この働きがある乳酸菌は希少で、抗菌物質によって病原体を抑制してくれるのです。また、胃酸や胆汁に強いため、生きて腸まで届いて定着し、免疫力を向上させます。これらのことから、ロイテリ菌を摂取すれば、デーデルライン桿菌が増えることに加えて病原体の増殖も抑制されますので、より膣の自浄作用を高めることができるといえます。
ロイテリ菌の効果
ロイテリ菌には、膣の自浄作用を高めること以外にも様々な効果があります。また、ロイテリ菌は元々人の体に存在する乳酸菌なので、摂取することによる副作用がありません。ですので、ロイテリ菌を含有するサプリメントが、ヨーグルト・タブレット・カプセルの形で販売されています。ロイテリ菌の主な効果には以下のようなものがあります。
・口腔内の環境を改善する
ロイテリ菌は、歯周病や虫歯を引き起こす悪玉菌を殺菌し、歯肉の炎症を抑えます。また、この働きによって口臭も予防します。
・胃腸の環境を改善する
ロイテリ菌は、胃腸の悪玉菌を抑制することによって、感染症や腹痛を予防します。また、ピロリ菌を減少させるという報告もあります。
・免疫力の向上
ロイテリ菌は、生きて腸に定着することで免疫を担う細胞を活性化し、消化管だけでなく全身の免疫力を向上させます。この働きによって、アレルギーも抑制します。
おすすめのサプリメント
デーデルライン桿菌を増やすためには、サプリメントで補うことが効果的です。現在日本で販売されているサプリメントは、ビューティーアンドヘルスリサーチ社の「フェミプロバイオ」と大鵬薬品の「フェミラクト」の二つです。この二つの商品を以下の表で比較します。
ビューティーアンドヘルスリサーチ社 「フェミプロバイオ」 |
大鵬薬品 「フェミラクト」 |
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菌の種類 | ラクトバチルス ロイテリ菌 ラクトバチルス ラムノーサス菌 ラクトバチルス アシドフィルス菌 ラクトバチルス プランタラム菌 |
ラクトバチルス ラムノーサス菌 ラクトバチルス ヘルベティカス菌 |
1粒あたりの菌の量 | ロイテリ菌 45億個 ラムノーサス菌 45億個 アシドフィルス菌 20億個 プランタラム菌 20億個 |
ラムノーサス菌とヘルベティカス菌 を合わせて220億個 |
内服方法 | 1日1粒 いつでも内服可 |
1日3粒 内服タイミングの指示なし |
内容量 | 30粒 | 90粒 |
価格(定価) | 5,140円 | 4,600円 |
1日あたりの価格 | 171円 | 153円 |
定期購入の制約 | なし いつでも解約可能 |
あり 最低3回までは解約不可 |
二つの商品を比較した上でおすすめするのは、ビューティーアンドヘルスリサーチ社の「フェミプロバイオ」です。フェミプロバイオは、1粒あたりに含有されるデーデルライン桿菌の量がフェミラクトよりやや少ないのですが、使用している方々は十分な効果を得られているので、問題にはならないといえます。そして、それ以外の点では全てにおいてフェミプロバイオの方が優れているのです。
フェミプロバイオとフェミラクトの共通点は価格で、ほぼ変わらない金額となっています。一方、大きな相違点は配合されているデーデルライン桿菌の種類です。フェミプロバイオには、先にご紹介したロイテリ菌が含有されています。このロイテリ菌によって、デーデルライン桿菌を増やすことに加えて全身の免疫力を向上させられる点が、最大のメリットといえます。また、1日あたりの内服量が少なく簡便に使用できる、定期購入に回数の縛りがなくいつでも解約できる、というところも、フェミラクトに勝っている点です。
ドクターズチョイス フェミプロバイオ
膣の自浄作用において重要な役割を担うデーデルライン桿菌と同じ乳酸菌4種を配合。これらの乳酸菌によって膣の自浄作用が強化されれば、より早くカンジタ膣炎を自然治癒できます。
更に、ビューティーアンドヘルスリサーチ社では、カンジタ膣炎の治療ができるサプリメント「ドクターズチョイス ファンガクリア」も販売しています。カンジタ膣炎は再発することが多いので、サプリメントを摂取して日常的な予防行動をとることが効果的です。
ファンガクリアのみでも効果を得られますが、フェミプロバイオと併用することで、より確かな再発予防ができます。
まとめ
デーデルライン桿菌とは、健康な女性の膣に存在する常在菌で、代謝によって乳酸をつくり出すことで膣の中を酸性に保ち病原体の増殖を抑制する「膣の自浄作用」を担っています。
膣の自浄作用が、デーデルライン桿菌の減少および病原体の増殖によって低下すると、膣炎・膣症を発症することがあります。膣炎・膣症になると陰部のかゆみやおりものの変化が現れ、自然治癒が望めない程度になると苦痛も強いため、病院での治療が必要になります。
膣炎・膣症の予防のためには膣の自浄作用を高めることが必要で、そのための対策としては、免疫力を維持する、陰部を清潔にかつ洗いすぎないようにする、陰部が高温多湿になるのを防ぐ、などがあります。また、デーデルライン桿菌を含有したサプリメントを摂取することも効果的です。
デーデルライン桿菌を含有したサプリメントを選択するにあたっては、デーデルライン桿菌の中でも優秀な善玉菌であるロイテリ菌のことを考慮するとよいでしょう。ロイテリ菌は、ロイテリンという抗菌物質をつくることができる希少な乳酸菌で、抗菌物質によって病原体を抑制してくれます。また、胃酸や胆汁に強いため、生きて腸まで届いて定着し、免疫力を向上させます。ですから、ロイテリ菌を摂取すれば、デーデルライン桿菌が増えることに加えて病原体の増殖も抑制されますので、より膣の自浄作用を高めることができるといえます。更にロイテリ菌には、歯周病や虫歯の予防・胃腸環境の改善・アレルギーの抑制など、様々な効果があります。