この記事の監修ドクター
自然療法医 ヴェロニカ・スコッツ先生
ブラジルのリオグランデドスル・カトリック大学認定の自然療法専門医。アメリカ、カナダ、ブラジルの3カ国で認定された国際免許を取得しており、専門医として自然由来のサプリメントに関する知識と精密な現代科学のデータを組み合わせて診断や治療を行っています。自身のフィットネスインストラクターとしての16年間の経験を活かし、多くの患者が抱える肉体的な問題だけでなく、精神的な問題も含めて、自然由来のサプリメントを用いた新しい“先見的な予防医学”にも注力しています。
アタマジラミとは?
ヒトに寄生するシラミには、アタマジラミ・ケジラミ・コロモジラミの3種類があり、頭髪と頭皮に寄生するものをアタマジラミといいます。アタマジラミは濃厚な身体的接触で感染するほか、くし、ヘアブラシ、帽子などの身の回り品を共有することでも感染する可能性があります。静電気や風によりアタマジラミが毛髪から飛び出ることもあります。
アタマジラミの成虫は1日におよそ3~5個、1ヵ月で約100個も産卵します。卵はセメントのような硬い物質でしっかりと髪の毛に固着させ産み付けます。髪の毛に産み付けられた卵は7~10日程で孵化し、さなぎの状態を経ずに3回ほど脱皮をして1~2週間で成虫になります。成虫の生息期間はおよそ1ヵ月です。
繁殖力が非常に強く、爆発的に数が増えていくので、早期発見が重要なのです。
アタマジラミは5~11歳の女児に最も多くみられますが、ほぼ誰にでも生じえます。しかし、黒人ではまれです。また、アタマジラミは衛生状態の悪さや社会経済的地位の低さとは関係がありません。
アタマジラミの感染経路
アタマジラミは、おもに髪の毛の接触によって感染するため、幼稚園、保育園、小学校の低学年の集団など、子供たちが体や頭を寄せて遊ぶ環境で発生します。また、子供たちは大人よりも体温が高く新陳代謝も活発なので、遊んだりお昼寝をしたりするとすぐに汗をかきます。そのため、暖かく湿った場所を好むアタマジラミの餌食になりやすいのです。集団の場で感染して、家で兄弟などに感染することもあります。子供と接触する機会の多い母親に感染した場合、せっかく子供が治ったのに、また母親から子供に再感染するピンポン感染に注意しなければなりません。
また、塾やスイミングスクールなどでの感染もあります。スイミングスクールにおいては、ロッカーや脱衣籠にアタマジラミが落ち、次に使用した子供に感染することはありますが、プールの水を介して感染することは確認されていません。タオル、クシ、ブラシなど、頭に触れるものの共用でもうつります。
アタマジラミは不潔だからといって感染するわけではありません。感染が幼稚園児、保育園児、小学校低学年の児童に多く見られるのは、頭や体を寄せ合って遊ぶ機会が多いためです。実際に被害者の8割以上が8歳以下の子供となっています。しかし、誰でも感染する可能性があり、毎日洗髪していてもうつされないとはかぎりません。
アタマジラミの症状
多くの場合、寄生した部位に強い痒みが生じます。1〜2匹の幼虫または成虫が寄生し始めた段階では、ほとんど痒みを伴いませんが、3〜4週間経過して個体数が増加すると激しい痒みに襲われます。これは、シラミが吸血時に注入する微量な唾液に対して産生されたIgE抗体※が関係していると考えられています。痒みは吸血された皮膚周囲に限られますが、関連症状としてイライラ感や不眠などの精神的な負担を引き起こすこともあります。
また、強い痒みのため皮膚を掻きすぎて傷ができてしまい、その傷からブドウ球菌等の細菌による二次感染が生じ、発熱、痛みなどを訴える場合もあります。
しかし、小児の場合はアタマジラミに寄生されてもほとんど気づかないことがあり、また漠然と頭がかゆいと感じるだけのこともあります。
※IgE抗体 …身体のなかに入ってきたアレルギーの原因物質(アレルゲン)に対して働きかけ、身体を守る機能を持つ抗体
アタマジラミの見分け方
アタマジラミは、濡らした髪の毛を目の細かいくしで頭皮から外側に向けてすくことで見つけることができます。アタマジラミは通常、後頭部または耳の後ろに見つかります。そのため、子供が無意識に後頭部や耳の後ろをかいていることがあればアタマジラミを疑いましょう。成虫や幼虫は動き回るので見つけるのが難しい場合がありますが、卵を見つけるのは比較的容易です。
アタマジラミの雌は灰色がかった白いつやのある卵を産み付けます。卵は非常に小さな球が毛幹の基部にしっかり付着しているように見えます。成虫の雌はそれぞれ1日に3~5個の卵を生むため、典型的には卵はアタマジラミ自体よりもはるかに多く存在します。頭皮に慢性的にアタマジラミが寄生している場合、卵が付着している毛髪も伸びるため、卵は寄生の期間に応じて頭皮から若干離れた部分にみられます。
フケの1種であるヘアーキャストと間違いやすいですが、指でつまんで動かしてみることで見分けることができます。アタマジラミの卵は非常に強く毛に付着しているため、簡単には動かすことができません。一方、ヘアーキャストは簡単に動かすことができます。
アタマジラミの卵 | ヘアーキャスト |
---|---|
・楕円形 ・黄白色~乳白色 ・約1㎜ ・頭皮の近くに産みつけられる |
・フケの一種 ・黄白色~乳白色 出典:松島皮膚科医院/ヘアキャストの拡大写真 |
アタマジラミの治療法と薬
アタマジラミの治療には主にシャンプーやクリームが使用され、市販薬と処方薬ともに有効な薬剤がいくつかあります。
市販薬 | 処方箋 |
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ピレスロイド | ベルメトリン |
ピペロニルピトキシド | リンデン マラチオン |
- ピレスロイド、ピペロニルブトキシド ― シャンプーやクリームの形状があります。皮膚につけ、そのまま10分おいてから洗い流します。
- ペルメトリン ― 合成したピレスロイド。溶液またはクリームの形状があります。
- リンデン ― ローション、シャンプーなどとして塗ることのできる処方薬。毒性の副作用が出るおそれがあるため、2歳未満の小児、妊婦、授乳中の女性、けいれん性疾患患者に対しては推奨されません。
- マラチオン ― シラミの成虫と卵の両方を殺すのに高い効果を発揮。可燃性が高く不快な匂いがするうえ、皮膚に塗ってそのまま8~12時間おかなくてはならないため、優先して治療に使用されることはありません。
いずれの薬剤も新しく卵からかえるシラミも殺すために7~10日間にわたって繰り返し使用します。しかし、近年シラミは薬剤に対し耐性をもち始めており、殺すのが難しい場合もあります。
シラミの卵に効果的な薬剤もありますが、卵は毛に非常に強く付着しているため、殺すことができても除去することはできません。死んだ卵を取り除く必要はありませんが、
通常、生きている卵と死んだ卵は見分けがつかないため、取り除くことが勧められます。シラミの卵を取り除くにはシラミ駆除製品などに付属している目の細かいくしを使い、丁寧かつ徹底的に髪をとかします。
アタマジラミの薬を使用するデメリット
一般的に、ピレスロイド系のシラミ駆除剤などでは成虫や幼虫を殺すことができますが卵を殺すことができません。ピレスロイドは虫に対しては極めて危険な毒である一方で、人などの哺乳類に対しては安全とされていますが、無害ではありません。大量にさらされると紅斑、皮膚炎、丘疹、掻痒などの皮膚症状、吐き気、下痢、耳鳴り、頭痛、情動不安、知覚麻痺、衰弱など神経症状が現れることもあります。
また近年、欧米ではこのピレスロイド系駆除剤の無効なアタマジラミが蔓延し、沖縄県でも蔓延していることがわかっています。そのため、欧米ではピレスロイド抵抗性にも有効なペルメトリン、マラチオンといった作用機序の異なる新規駆除薬が普及しつつあります。
ペルメトリンは2か月以上の乳児、授乳婦、妊婦における安全性が報告されており、効果も高いため、海外の多くの国で第一選択薬ですが、頻回に使用すると接触皮膚炎を起こすことが報告されています。
マラチオンはシラミの成虫、卵の両方に効果がありますが、その不快な臭いや塗布後の放置時間が長いという欠点があります。また、ピレスロイド系のシラミ駆除剤と同様、哺乳類には安全とされていますが、農薬で使用されている成分ですので、大量にさらされると吐き気、嘔吐、下痢、頭痛といった副作用も報告されています。
アタマジラミを駆除する新たな成分
従来のシラミ駆除剤では卵が殺せないため、数日おきに卵が孵化するタイミングで使用する必要があり、完全駆除には少なくとも2週間ほどかかります。しかし、数回にわたって駆除剤を使ったとしても、まだ孵化せずに生き残っている卵がある可能性も否定できず、完全駆除というには少し不安が残るところです。
また従来の駆除剤に耐性のあるシラミや、副作用といった面でも不安が残ります。
しかし、近年シラミ駆除の新たな成分として注目を集めているのがジメチコンです。ジメチコンはシリコーンオイルの一種で、アタマジラミの成虫と卵を窒息させる働きがあります。窒息した成虫は生きていけなくなり、卵も孵化できない状態になります。
また、ジメチコンはその効果とともに、短時間で効果を発揮することが知られています。最短15分、たった1回の処理によって、成虫も卵も全て殺すことができます。
ジメチコンのシラミ駆除効果に関する臨床試験
・シラミ駆除効果…98.3%
・卵が孵化できなくなる効果…99.4%
ジメチコンは、体に全く害がなく、FDA(アメリカ食品医薬品局)から安全性について認可を受けています。さらに、薬剤とは作用機序が違うため、シラミが耐性を持つことはありません。
アタマジラミを最短で駆除する方法
今までの駆除剤ではアタマジラミの卵を殺すことができなかったため、卵の孵化するタイミングに合わせて駆除剤を数日おきに使用する必要がありました。少なくとも2週間は続ける必要がありました。長く続ければその分だけ副作用の可能性も多くなるので、できれば短期間で駆除したいものです。
「ドクターズチョイス シラミンローション」は、シラミの成虫だけではなく卵にも駆除効果がある「ジメチコン」を濃度100%で配合した製品です。アタマジラミの成虫と卵をコーティングすることで呼吸器をふさぎ、最短15分で窒息死させます。
ジメチコン100%濃度の駆除率は、1回の使用で98.3%
さらに、卵の駆除率は99.4%
つまり、ドクターズチョイス シラミンローションを使用することでアタマジラミの成虫と卵の両方を最短15分で駆除することも可能なのです。
すでにアメリカでは、シラミ治療として「ジメチコン」を使うのが一般的になっており、アメリカの皮膚科では、特に効果が高い濃度100%のジメチコンが使用されています。
複数の臨床試験を比較した結果、
・4%ジメチコンの駆除率は2回の処理で70%に対し、
・100%ジメチコンの駆除率は1回の処理で98.3%
より確実な効果を得るには、濃度100%のジメチコンが重要という事が示唆されています。
日本で唯一、ジメチコンを100%配合したシラミンローションの駆除効果と安全性は、従来の駆除剤を遥かに上回っています。
アタマジラミの予防
アタマジラミは幼稚園、保育園などで頭を寄せて遊んだり、昼寝の時などに髪の毛が接触することで感染することがあります。また、タオルやブラシなど、”頭に触れるもの”の共用でもうつる可能性があります。
そのため、以下のような対策が有効になります。
- タオルやブラシ、帽子や衣類などを共用共有しない
子供がお風呂やプールなどに入ったときは頭をしっかりチェックし、クシ・ブラシやバスタオルの使い回しをしないよう言い聞かせましょう。水の中ではシラミはしっかりと毛につかまる習性があるため、うつることはないと考えてよいでしょう。 - シーツやまくらカバーなどの寝具をこまめに洗う
洗濯前に60℃以上のお湯に5分以上つければ、付着しているシラミの幼虫・成虫・卵は死滅します。(乾燥機の使用も効果的です)。 - 時には点検も兼ねて、大人がしっかりと、髪を洗ってあげましょう。きちんと洗髪することでアタマジラミを減らすことも期待できます。
また、シラミンローションでアタマジラミを駆除した後もドクターズチョイス シラミンシャンプーを使用することでさらなる駆除効果と予防が期待できます。
- シラミンシャンプーにはアタマジラミを殺す成分が配合されており、シラミンローション使用後に万が一、ひん死の状態で生き残っているアタマジラミがいたとしてもシラミンシャンプーでトドメを刺すことができます。
- シラミンシャンプーにはアタマジラミの嫌う成分も配合されており、アタマジラミを寄せ付けない効果があるため、シラミンローションで駆除後、寝具や衣類にアタマジラミがいたとしてもそのアタマジラミが再び戻って来る可能性が低くなります。
まとめ
アタマジラミは、おもに髪の毛の接触によって感染するため、幼稚園や小学校の低学年の集団など、子供たちが体や頭を寄せて遊ぶ環境で発生します。また、子供たちは体温も高く新陳代謝も活発なので、よく汗をかきます。そのため、暖かく湿った場所を好むアタマジラミの餌食になりやすいのです。アタマジラミは不潔だからといって感染するわけではなく、誰でも感染する可能性があります。
アタマジラミの治療にはおもに市販薬や処方薬によるシャンプーやクリームが使用されます。しかし、従来のピレスロイド系シラミ駆除剤では成虫や幼虫を殺すことはできますが、卵は殺すことができません。そのため、卵の孵化するタイミングで数日おきに最低でも2週間は続けなければなりません。基本的にピレスロイド系シラミ駆除剤は人間には無害とされていますが、大量にさらされる場合には副作用の可能性もあります。さらに近年、このピレスロイドに耐性のあるシラミが欧米や沖縄で報告されています。
そんな中、新たなシラミ駆除の成分としてジメチコンが注目されています。ジメチコンには、アタマジラミの成虫と卵を窒息させる働きがあります。最短15分で成虫も卵も殺すことができます。ジメチコンは、体に全く害がなく、FDA(アメリカ食品医薬品局)から安全性について認可を受けている成分です。さらに、薬剤とは作用機序が違うため、シラミが耐性を持つことはありません。
この注目の成分を使用したものにドクターズチョイスのシラミンローションがあります。シラミンローションはジメチコンでアタマジラミの成虫と卵をの呼吸器をふさぎ、最短15分で窒息死させます。加えて、シラミを殺す効果が認められているティーツリーオイルとペパーミントオイルを配合したドクターズチョイス シラミンシャンプーを併用することでさらなる駆除効果と予防が期待できます。
タオルやブラシ、帽子や衣類などを共用共有しない、シーツやまくらカバーなどの寝具をこまめに洗うといった日頃の予防策と同時に、シラミンローションとシラミンシャンプーでアタマジラミを寄せ付けない快適な生活を手に入れてください。