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【ドクタースコッツ監修】正しい知識を持って根気よく治療すれば脂漏性皮膚炎は完治します
この記事の監修ドクター
自然療法医 ヴェロニカ・スコッツ先生
ブラジルのリオグランデドスル・カトリック大学認定の自然療法専門医。アメリカ、カナダ、ブラジルの3カ国で認定された国際免許を取得しており、専門医として自然由来のサプリメントに関する知識と精密な現代科学のデータを組み合わせて診断や治療を行っています。自身のフィットネスインストラクターとしての16年間の経験を活かし、多くの患者が抱える肉体的な問題だけでなく、精神的な問題も含めて、自然由来のサプリメントを用いた新しい“先見的な予防医学”にも注力しています。
脂漏性皮膚炎とは?
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は、頭皮や顔面など皮脂の分泌が多い身体の部位に赤い炎症やフケ、かさぶたなどができる皮膚炎です。
皮膚には様々な常在菌が存在し、これらが相互に働きかけることで健康な状態が維持されています。この常在菌の1つにマラセチア菌というカビ(真菌)の1種がありますが、これが増えすぎてしまい皮膚の常在菌のバランス(肌フローラ)が崩れてしまうと、脂漏性皮膚炎をはじめとする様々な皮膚疾患を発症します。
マラセチア菌が増えてしまう理由に皮脂の過剰分泌がありますが、これはマラセチア菌が皮脂を栄養源とするためです。マラセチア菌は皮脂を代謝し遊離脂肪酸に分解しますが、この遊離脂肪酸が皮膚に刺激を与え炎症を起こすことが脂漏性皮膚炎が引き起こされるメカニズムとなっています。
脂漏性皮膚炎は脂漏性湿疹とも呼ばれ乳児と30~40代の成人に多発しますが、乳児に出現するものは乳児脂漏性湿疹として区別され、比較的短期間で治ることで知られています。この記事では、完治が難しく慢性化しやすい成人に発症する脂漏性皮膚炎に焦点を当てています。
脂漏性皮膚炎の症状
脂漏性皮膚炎は皮脂の分泌が盛んな部位で発症しますが、発症部位によって肌の厚さやターンオーバーの速度が違うために症状の現れ方も若干変わってきます。それぞれ違った皮膚炎のように見えますが、原因菌と発症のメカニズムが同一のために治療法も共通しています。各部位での症状を確認して、正しい知識を持って治療していきましょう。
頭皮で発症すると、地肌が炎症により赤くなり、痒みをともないます。フケがねっとりと地肌にこびりついてしまうために洗髪してもすぐにフケが出てしまうこともあります。適切な治療をしないと頭全体が硬いフケで覆われたり、男性の場合は脱毛につながることもあります。
Reference: https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/seborrheic-dermatitis/symptoms-causes/syc-20352710
Reference: https://en.wikipedia.org/wiki/Seborrhoeic_dermatitis
顔では皮脂の分泌が多いTゾーンや、洗い忘れにより不衛生にもなりやすい髪の生え際、耳の中・後ろなどに発症します。顔は皮脂腺が多いため、顔全体で炎症を起こして赤ら顔になってしまうケースが多くなるようです。
小鼻や耳の後ろでは白い皮脂がこびりつき、一見すると細かく皮が剥けているように見えることもあります。特に小鼻では皮脂が毛穴に詰まってコメドが目立つようになることもあります。
Reference: https://www.lewisburgplastic.com/dermatology/dermatological-skin-conditions/seborrheic-dermatitis/page.aspx?id=1364
Reference: http://sewmanythings.blogspot.com/2008/07/seborrheic-dermatitis-photos-and.html
頬や眉間、額では鱗屑(りんせつ)と呼ばれる黄色い鱗状のかさぶたが出る場合もあります。痒みのために掻いてしまうと肌表面が傷つき、洗顔料や化粧水がしみたり、痛痒くなる場合もあります。
Reference: https://dermandlaser.com/medical/seborrheic-dermatitis-dandruff/
Reference: https://www.childrens.com/specialties-services/specialty-centers-and-programs/dermatology/conditions-and-treatments/inflammatory-dermatoses/seborrheic-dermatitis
身体では胸や背中、わきで発症しやすくなります。主な症状として赤く境界のはっきりした円形の湿疹が見られますが、わきにできる場合は肌がこすれるために痛みを伴うことが多くなります。胸や背中では後述するマラセチア毛包炎と併せて発症することが多く、湿疹と共に大量の赤いブツブツが見られます。
マラセチア菌が原因の病気: 癜風(でんぷう)、マラセチア毛包炎、脂漏性脱毛症
マラセチア菌は脂漏性皮膚炎の他にも様々な皮膚炎を引き起こします。マラセチア菌が繁殖する部位や炎症の深さによって病名が変わりますが、軽度なものが癜風、さらにマラセチア毛包炎、そして重度なものが脂漏性皮膚炎となります。また、頭皮に起こる脂漏性皮膚炎で、状態が悪化し脱毛を伴うものを脂漏性脱毛症と呼びます。
癜風
俗に「黒なまず」とも言われ、自覚症状がほとんどない軽度の皮膚炎です。症状としては、胴体や首の後ろに一見シミのように見える細かい鱗屑(りんせつ)を含む褐色の斑が現れます。高温・多湿の環境においてマラセチア菌が皮膚表面で異常繁殖することが原因で、熱帯地方では人口の20~30%が癜風に羅患しているといわれています。外用抗真菌薬と抗真菌作用のあるボディソープで短期間で治療することができますが、再発を繰り返しやすいことが特徴となります。
マラセチア毛包炎
マラセチア菌の異常繁殖のために毛穴が炎症を起こし、大量の赤いブツブツができている状態をマラセチア毛包炎と呼びます。梅雨から夏にかけて、胸や背中、二の腕、首など衣服や髪の毛に覆われて湿気の溜まりやすい部位に発症します。一般に「背中ニキビ」と言われるものの多くはこのマラセチア毛包炎です。アクネ菌によるニキビとよく似ているので自然治癒を待つ患者が多い一方、外用抗真菌薬と抗真菌作用のあるボディソープを使えば1~3か月でキレイに完治するという極めて治療しやすい皮膚炎でもあります。
脂漏性脱毛症
頭皮の脂漏性皮膚炎を放置することにより炎症が進むと、髪の毛が細くなり、毛根へのダメージで髪の毛が抜け落ちることがあります。これを脂漏性脱毛症と言いますが、年齢やストレスなどからくる脱毛症とは症状も原因も異なります。髪の毛が抜けるからと言って育毛剤を使ってしまうと頭皮への刺激となり症状が悪化する場合があります。
脂漏性皮膚炎患者は上記3つの皮膚疾患を併発しやすいと言われています。症状は異なりますが、原因菌や発症のメカニズムが共通しているために脂漏性皮膚炎と同じ治療法で同時に治療することができます。
症状がよく似ているけど「脂漏性皮膚炎」と「ニキビ」は何が違う?
脂漏性皮膚炎とニキビは、発症部位によっては症状がよく似ているため皮膚科医でも区別が難しいことがあります。ニキビは皮膚科医の間では尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)と呼ばれていますが、一般に言われる「ニキビ」は毛穴に起こる炎症全般を指すため、文献によっては脂漏性皮膚炎やマラセチア毛包炎による毛穴の炎症を含んでいる場合もあります。ここでは、脂漏性皮膚炎と尋常性ざ瘡としてのニキビの違いを詳しく解説します。
脂漏性皮膚炎 | ニキビ(尋常性ざ瘡) | |
---|---|---|
原因菌 | マラセチア菌(真菌の一種) | アクネ菌(細菌の一種) |
発症時期 | ・乳児期(0歳) ・成年(30~40代) |
・青年期(15~25歳) ・妊娠中または月経周期 |
発症のメカニズム | ・過剰な皮脂の分泌 ・マラセチア菌が皮膚表面や毛穴の中で繁殖 ・マラセチア菌が皮脂を遊離脂肪酸に分解 ・遊離脂肪酸が皮膚の刺激になり炎症を起こす |
・過剰な皮脂の分泌 ・毛穴を閉塞する要因(角質、化粧品、ローション、衣服など) ・毛穴の中でアクネ菌が繁殖 ・アクネ菌が皮脂を遊離脂肪酸に分解 ・遊離脂肪酸が毛穴の刺激になり炎症を起こす |
症状が出やすい場所 | ・頭皮/髪の生え際 ・眉間/眉毛 ・鼻のわき ・頬 ・耳の中/後ろ ・脇の下 ・胸/背中 |
・額 ・鼻 ・頬 ・口の周り/あご ・胸/背中 |
症状 | ・フケが増える ・白い皮脂が皮膚にこびりつく ・コメドができる ・痒みをともなう赤い湿疹やブツブツが現れる ・かさぶたや黄色い鱗屑(りんせつ)をともなう隆起が現れる |
・コメドができる ・毛穴が真っ赤に腫れ、膿を含んで痛みをともなう ・悪化すると毛穴が破壊され、炎症が鎮まってからクレーターのような痕が残る |
治療法 | ・外用ステロイド薬 ・外用抗真菌薬 ・抗真菌作用のある洗顔料、シャンプー、ボディソープ ・ビタミンB2/B6の内服 |
・内服/外用抗菌薬 ・外用硫黄薬(殺菌、角質溶解、皮脂抑制) ・ピーリング作用のある洗顔料、ボディソープ、拭き取り化粧水 ・ビタミンB2/B6の内服 ・内服ホルモン剤(ピルなど) |
このようにして比較すると、脂漏性皮膚炎とニキビの症状が似ている理由がよく分かりますね。しかし発症のメカニズムが似ていても、原因菌が違うために効果のある治療法が変わってきます。ニキビ治療の効果が見られない場合は実は脂漏性皮膚炎だったなんてこともありますから、症状をよく観察して原因菌を見極め、正しい治療を行いましょう。
脂漏性皮膚炎になったら絶対やってはいけないこと
脂漏性皮膚炎は完治が難しく、慢性化しやすい皮膚炎です。症状の悪化や再発を防ぐためには正しい知識を持って根気強く治療・再発予防することが重要になります。下記のような間違ったケアや生活習慣は症状を悪化させてしまうこともあるので注意しましょう。
皮膚への刺激が強すぎる行為
- アルコール/石油系の洗浄力が強すぎるシャンプー
- 固形せっけんの使用(すすぎ残しになりやすい)
- スクラブ粒子の入った洗顔料やボディソープの使用
- ピーリング作用のある洗顔料や化粧水、ボディソープの使用
- 整髪料や育毛剤の使用
- 香辛料の摂取
- 紫外線を浴びる(皮脂が酸化して肌への刺激に)
原因菌の繁殖を促す行為
- お湯だけでの洗髪・洗顔
- 洗髪後に髪の毛を濡れたままにする
- 脂っこい食事やカフェインの摂取(皮脂分泌が促進される)
- 薬を塗り忘れる
これらの行為は脂漏性皮膚炎の症状を悪化させてしまいます。
正しい知識で生活習慣を改善し、根気よく治療して脂漏性皮膚炎の完治を目指しましょう。
ステロイドと副作用
脂漏性皮膚炎の治療には、主に外用ステロイド薬と外用抗真菌薬が使用されます。ステロイドは炎症を抑制する効果がある反面、長期にわたって使用すると副作用が出ることが報告されています。そのため、慢性化しやすい脂漏性皮膚炎の治療でステロイドを使用する場合には十分に注意が必要です。主な副作用には下記の3つがあります。
皮膚が薄くなる
ステロイドは皮膚の炎症だけではなく、皮膚細胞そのものの働きも抑えてしまいます。そのために、必要以上にステロイドを使ってしまうと皮膚細胞の増殖機能が抑制されて皮膚が薄くなってきます。そうすると皮膚が張って違和感があったり、毛細血管が浮き上がって見えたりしてきます。特に頬、胸、肘、指先で皮膚が薄くなりやすいので、これらの患部にステロイドを使用する場合は注意が必要になります。
ニキビやおできができやすくなる
ステロイドは皮膚の免疫系の働きも抑制します。特に顔面では皮脂腺や常在菌も多く、毛穴の炎症を起こしやすくなります。そのために、脂漏性皮膚炎の炎症を抑えるためにステロイドを使用して、かわりにニキビやおできができてしまうなんてこともあります。こういった状態を防ぐためには、ステロイドは必ず抗菌・抗真菌剤と組み合わせて使用するようにしましょう。
リバウンド
長期間ステロイドを使用し続けた後に急にやめてしまうと症状が悪化することがあります。これはステロイドには炎症を抑える効果があっても症状の原因を取り除く効果がないためです。また、ステロイドを外用し続けることで皮膚がステロイドに依存してしまい、皮膚そのものの抗炎症作用が弱くなってしまうこともあります。リバウンドを避けるには皮膚が依存してしまう前にステロイドの使用を終了すること、そしてステロイド終了後も完治が確認できるまで抗真菌薬は使用し続けることが重要となります。
ステロイドが含まれる脂漏性皮膚炎の市販薬・処方薬
市販薬・処方薬名 | 形状 | ステロイド成分 |
---|---|---|
ムヒHD | 液体 | プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル |
メディクイックHゴールド | 液体 |
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル |
ロコイド軟膏 | 軟膏 | ヒドロコルチゾン酪酸エステル |
上記の他にプロトピック軟膏があります。プロトピック軟膏は「ステロイドを含まない安全な外用抗炎症薬」として知られており、よく皮膚科で処方されています。しかしながら、実はこのプロトピック軟膏の主成分にも副作用が報告されています。
プロトピック軟膏主成分「タクロリムス」の副作用
- 火照り、ひりつきなどの刺激感
- ニキビやおでき
- 紫外線による発がん性
プロトピック軟膏はステロイドを含まないながら、ステロイドと同等の副作用のリスクがあることが分かります。残念ながら、必ずしも安全とは言い切れないのが事実となります。
このように、ステロイドをはじめとする外用抗炎症薬には副作用がつきものとなります。
そのために、脂漏性皮膚炎の治療には
- むやみにステロイドを使用しないこと
- 皮膚科医に処方された場合は処方された期間のみ使用を続けること
- 抗真菌薬や抗真菌作用のあるシャンプー、ボディソープ、洗顔料の使用を主な治療法として根気強く続けること
これらを守ることが安全かつ確実な完治への道となります。
保湿剤は脂漏性皮膚炎に効果がない?
肌は乾燥すると皮脂を過剰分泌することがあります。ベトベトした肌をさっぱりさせたいからといって洗浄力の強いシャンプーや洗顔料、ボディソープを使うと肌がさらに乾燥して…と乾燥と皮脂の過剰分泌の悪循環に陥ってしまうこともあります。
肌を乾燥から守るために保湿をすることはとても大切です。しかし、保湿剤として油分の多い化粧水や乳液を使ってしまうとその油分がマラセチア菌のエサになってしまう可能性があります。そのような保湿剤は脂漏性皮膚炎に効果がないどころか症状を悪化させてしまうこともあるため、むやみに保湿剤を使用せずにそもそもの乾燥の原因となっている要因を見直すことが重要となります。
シャンプー
乾燥した頭皮には肌に優しい低刺激のシャンプーを選ぶことが重要です。シャンプーを選ぶ際には下記の点に気を付けましょう。
- 石油系の界面活性剤不使用*
- アルコール不使用
- すすぎやすい
- 無添加
- 天然成分配合
*成分表に「ラウレス硫酸」「ラウリル硫酸」「スルホン酸」と記されているシャンプーは石油系の界面活性剤を含んでいます。
食事
皮膚の細胞の生成に必要なビタミンB2・B6が不足すると乾燥肌になってしまいます。また、アルコールの消化でもビタミンB2が消費されてしまうため脂漏性皮膚炎を発症している間は飲酒は控えましょう。
ビタミンB2が多く含まれる食材…レバー、うなぎ、魚、卵、納豆など
ビタミンB6が多く含まれる食材…生ニンニク、ピスタチオ、ヒマワリの種、鶏肉など
UVケア
紫外線は皮膚に大きな刺激を与え乾燥の原因にもなります。脂漏性皮膚炎の炎症が酷く日焼け止めクリームが刺激になってしまう場合でも、帽子や日傘、カーディガンなどの羽織りものなどを活用してしっかりUVケアしましょう。
脂漏性皮膚炎の治し方(3つのポイント)
脂漏性皮膚炎は一度発症したら完治まで比較的時間がかかる病気です。本気で集中して1日でも早く完治させましょう。
1. 生活習慣を見直しマラセチア菌の繁殖を防ぐ
「脂漏性皮膚炎になったら絶対やってはいけないこと」、そして「保湿剤は脂漏性皮膚炎に効果がない?」でも述べた通り、生活習慣は脂漏性皮膚炎の悪化にも改善にもつながるために無視してはならないポイントとなります。すでに前述した生活習慣以外にも、原因菌であるマラセチア菌の殺菌と繁殖の予防につながる生活習慣は最も重要なものと言えるでしょう。
まずは毎晩(できれば毎朝・毎晩)、抗真菌作用のあるシャンプーやボディソープ、洗顔料を使用して皮膚表面のマラセチア菌を洗い流すことを習慣にしましょう。皮膚表面のフローラをリセットしてあげることで肌に再生のチャンスを与えることができます。
次に、ベッドシーツや枕カバーを清潔に保つことも心がけましょう。特に夏場は就寝時にも汗をかいてしまうため、週に1度は洗濯すべきです。また、梅雨など洗濯物が乾きにくい時期には抗菌作用のある洗剤や乾燥機を使用して、マラセチア菌をしっかり殺菌・抗菌します。頭皮や顔に脂漏性皮膚炎を発症している場合は、枕カバーの上にさらに1枚清潔なタオルを敷いて毎晩取り替えるなどの工夫も必要です。
最後に、日中は通気性の良い衣服を選びティッシュや使い捨ての拭き取りシート(アルコールを含まず刺激の少ないもの)で汗や皮脂を拭きとる習慣も身につけましょう。女性で顔に脂漏性皮膚炎を発症している場合はなるべくお化粧をせずに、いつでも汗や皮脂を拭き取れる状態でいることも重要となります。
2. 安心して長期間使用できる塗り薬を選ぶ
脂漏性皮膚炎には抗炎症薬と抗真菌薬が有効です。しかし前述した通り、抗炎症薬にはステロイドなど副作用の心配がある成分が配合されていることがあります。症状がすでに悪化している場合は一時的に抗炎症薬を使用することは有効ですが、特に脂漏性皮膚炎は慢性化しやすいために常用すべきではありません。
なるべく抗炎症薬に頼らずに抗真菌薬を使用することは、脂漏性皮膚炎の根本的な原因であるマラセチア菌を殺菌・抗菌できるために大変有効です。しかし、脂漏性皮膚炎は一度発症すると完治まで長期間の治療が必要となるため、抗真菌薬もなるべくオールナチュラルで肌に優しいものを選ぶ必要があります。殺菌・抗菌作用のある天然成分の例にティーツリーオイルがありますが、これについては次項の「脂漏性皮膚炎の薬を選ぶ際のポイント」で詳しく紹介します。
3. 完治するまで(最低2か月間)は必ず患部に抗真菌薬を塗り続ける
上述したように生活習慣を改善して患部を清潔に保ち、さらに肌に優しい抗真菌薬を使用し続けたとして、どれくらいの期間で脂漏性皮膚炎は完治するのでしょうか?症状の進行具合によっても違いますが、2~6週間と言われています。
炎症が治まったからといって治療をやめてしまうと再発してしまう場合もあるので、症状の状態に関わらず最低2か月間は抗真菌薬を塗り続けましょう。特にオールナチュラルの抗真菌薬を使用している場合は副作用の心配もないので安心して治療を続けられます。また完治して抗真菌薬の使用をやめた後も、抗真菌作用のあるシャンプー、ボディソープ、洗顔料を使用して再発の予防を心がけることをおすすめします。
脂漏性皮膚炎の薬を選ぶ際のポイント
脂漏性皮膚炎の薬を選ぶポイントは2つあります。
1. オールナチュラル抗真菌薬を選ぶ
市場には様々な抗真菌薬が出回っています。皮脂の過剰分泌とマラセチア菌の繁殖、それによる肌への刺激が原因になっている脂漏性皮膚炎では、なるべく肌に優しいオールナチュラルなものが理想となります。抗真菌作用のある天然成分の代表にティーツリーオイルがありますが、このティーツリーオイルには副作用がなく、また先住民族のアボリジニに何千年も怪我や皮膚の治療に使われていたという歴史もあります。
ティーツリーオイルの殺菌力がすごい!
ティーツリー油は、0.5%から1%未満の濃度に希釈した場合でも、幅広い種類の細菌や真菌に対して強い殺菌力がみられ、タンパク質に直接はたらくため耐性菌も発生しにくい。
補完・代替医療に精油を用いたり、せっけんや洗浄剤へ配合するなど幅広く使われている。
フケを防止するためのティーツリーが配合されたシャンプーもある。
歯周病、消毒、傷、火傷、カンジダ、白癬など菌が原因とされる疾患の殺菌を目的として全身に広く用いられる。防臭効果もある。火傷や関節痛の痛みを軽減する。
自然の抗真菌薬として、口角炎などに民間療法で用いられる。
口腔内のすぐれた殺菌作用や口臭予防作用があり、入れ歯の殺菌剤としても有効であった。
ヒトから採取した歯垢にティーツリーを混ぜ、ティーツリーを除いてから培養し10種の菌を観察した結果、ティーツリー1%濃度の液では99.9%が殺菌され、原液では全く菌の発育が観察されなかった。
口腔細菌の発育を抑制し、歯垢形成を抑制する。ティーツリーを配合した歯磨き剤や洗口剤がある。
精油の臨床研究は、主に足白癬に関するものである。水虫や魚の目、タコなどの足の症状60例に対し、38例が顕著な効果、20例に良好な効果があった。
にきびや口腔のカンジダ、皮膚のカンジダ、皮膚炎・湿疹、ヘルペス、爪・股・足の白癬に用いられ、被験者50名のうち1名を除き、症状の完治か顕著な効果があった。また、医薬品よりも副作用も少なかった。
ウィキペディアより一部抜粋
2. 保湿剤には保湿成分配合の抗真菌薬を選ぶ
前述したとおり化粧水や乳液などの保湿剤の使用は、その油分がマラセチア菌のエサとなり脂漏性皮膚炎を悪化させてしまうことがあります。しかし、保湿成分配合の抗真菌薬を使用すれば、殺菌・抗菌成分でマラセチア菌が繁殖できない状態にしながらも、保湿成分で皮脂の過剰分泌を防ぐことができるために脂漏性皮膚炎の治療に大変有効です。
ドクターズチョイスでは、脂漏性皮膚炎に効くファンガソープとファンガクリーム(軟膏)を開発しました。どちらも天然成分ティーツリーオイルが配合されており、弱った肌を優しく殺菌・抗菌します。
さらにファンガソープにはシアバターを、ファンガクリームには蜜蝋、ローズゼラニウムオイル、マカダミアナッツオイルなど、保湿力に優れながらも抗菌性・抗炎症性もある天然成分を配合しています。これらの成分はティーツリーオイルとの相性も良く、また臨床実験に基づき最適なバランスで配合されています。
マラセチア菌が繁殖できない環境を保ちつつ刺激で弱った肌をしっかり保湿でき、さらに副作用の心配がないオールナチュラル製品だから、脂漏性皮膚炎としっかり向き合いたい方におすすめの商品となります。また、肌への優しさにこだわっているため背中や胸はもちろん、脂漏性皮膚炎の発症しやすい頭皮や顔まで安心してお使いいただけます。