スペアミントエッセンシャルオイル
(研究)スペアミントエッセンシャルオイルの一般的な食中毒の原因菌に対する抗菌作用の調査
(結果)イランで採取されたスペアミントから抽出したエッセンシャルオイルの成分を分析したところ、実験に使われたすべての微生物に対して中程度の抗菌作用があることが認められました。特に食中毒の原因となるリステリア菌に対して効果的であることが示されました。
(結論)イランのある地域で採取されたスペアミントからできたエッセンシャルオイルは抗菌材として使用できる可能性が示されました。 (出典)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26351584/
ペパーミントエッセンシャルオイル・ティーツリーエッセンシャルオイル
(研究)植物精油の口腔微生物に対する抗菌性およびバイオフィルム形成抑制効果の検討
(結果)ジンジバリス菌、ミュータンス菌、カンジタ菌、F.ヌクレアタム菌の四種の菌に対してエッセンシャルオイルはどんな効果を示すのか、検討しました。
(結論)すべての実験においてレモングラスとペパーミントが最も抗菌力があることが示されました。ペパーミントオイルとレモングラスオイルはカンジタ菌に対して同程度の殺菌作用を示した。
ジンジバリス菌、ミュータンス菌、F.ヌクレアタム菌、アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス菌、ソブリヌス菌に対してはマヌカエッセンシャルオイル、ティーツリーエッセンシャルオイル、ユーカリエッセンシャルオイルが抗菌力が高く、0.2%の濃度を30秒作用させるだけでも完全な殺菌効果を発揮しました。
口臭について:口腔内のにおいの原因物質は減少したがエッセンシャルオイル洗口液は歯周ポケット内までは届きませんでした。ドライマウスの方はアルコールにより強い粘膜刺激を受けるので、アルコール含有洗口液を使用できない人が多いため、アルコールが含まれていないエッセンシャルオイルを使用した洗口液が望ましい。
(出典)https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsotp/28/1/28_1_1/_pdf/-char/ja
ティーツリーエッセンシャルオイル
(研究)ジンジバリス菌に対するさまざまなエッセンシャルオイルの抗菌効果
(結果)ユーカリオイル、ティーツリーオイル、カモミールオイル、ターメリックオイルの順で効果的でした。ティーツリーオイルはまた、ジンジバリス菌に対して口腔内への接着を阻害する効果を示しました。
(結論)この研究ではユーカリオイルとティーツリーオイルは、歯周病原性細菌であるジンジバリス菌に対して特に強い抗菌活性を示しました。
(出典)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5072072/
ティーツリーエッセンシャルオイル
(研究)歯肉炎の治療におけるティーツリーオイルとクロルヘキシジンマウスウォッシュの効果の比較(パイロット無作為化二重盲検臨床試験)
(結果)2つのグループに14日間ティーツリーオイルを含むうがい薬と、クロルヘキシジン0.12%を含むうがい薬を使用してもらい、使用前後の口腔環境を比較したところ、ティーツリーオイルうがい薬が歯垢の量、検査時の出血指数、歯肉溝や歯周ポケットの深さの評価においてよりよい改善をすることが示されました。さらに、歯への着色や味覚変化を引き起こしませんでした。
(結論)ティーツリーオイルが歯肉炎の治療薬の効果的で無毒な代用品である可能性があることを示されました。
(出典)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7069753/
ティーツリーエッセンシャルオイル
(研究)歯ブラシの消毒におけるニンニク、ティーツリーオイル、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、紫外線消毒機器の抗菌効果の比較
(結論)この研究で使用された3%ニンニク抽出物、0.2%ティーツリーオイル、0.2%クロルヘキシジン、0.05%塩化セチルピリジニウムは、すべてミュータンス菌の数を効果的に減少させたため、歯ブラシ消毒に使えると考えることができます。なお、天然成分ではニンニク抽出物、ティーツリーオイルの順で効果的で、紫外線消毒機器よりも効果的でした。
(出典)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4260383/
シナモンエッセンシャルオイル
(研究)シナモンエッセンシャルオイルのジンジバリス菌に対する抗菌作用
(結果)シナモンの主成分であるシンナムアルデヒドが、一部の細菌に対する抗菌活性・抗炎症作用を示すことが報告されています。この研究ではシナモンエッセンシャルオイルとシンナムアルデヒドの両方がジンジバリス菌の細胞膜の透過性を高めることで、細胞膜を破壊することが分かりました。
(結論)シナモンエッセンシャルオイルが歯周病に対する天然の抗菌剤として使用できる可能性が示唆されました。さらに、シンナムアルデヒドが、シナモンエッセンシャルオイルのジンジバリス菌に対する阻害作用の元の成分だと確認されました。
(出典)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29325862/
シナモンエッセンシャルオイル
(研究)市販の精油のミュータンス菌に対する抗菌活性
(結果)シナモンエッセンシャルオイルがミュータンス菌に対して最も高い活性を示し、レモングラスエッセンシャルオイルとシダーウッドエッセンシャルオイルが続きました。
(結論)細菌や真菌による口腔感染症のコントロールにエッセンシャルオイルが使用できる可能性があります。
(出典)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22430697/
シナモンエッセンシャルオイル
(研究)カンジタ菌と口腔上皮細胞に対するシナモンオイルの影響
(結果)シナモンエッセンシャルオイルは、0.039〜0.078%という低濃度で、高い抗真菌活性を示しました。さらに、すでに形成されたカンジタ菌のバイオフィルムに対しても効果的でした。カンジタ菌のバイオフィルム形成を防ぐだけでなく、口腔上皮細胞への付着を弱めました。シナモンエッセンシャルオイルは口腔上皮細胞に対して細胞毒性を示しませんでした。in vitroモデルでは、シナモンエッセンシャルオイルは口腔上皮のバリアを強化することがわかりました。
(結論)カンジタ菌の成長、バイオフィルム形成、付着を防ぎ、口腔上皮細胞のバリア機能を強化し、抗炎症特性を発揮する能力により、本研究で調査されたシナモンエッセンシャルオイルはカンジタ菌による口腔感染症を治療するための有望な効果があると言えます。
(出典)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6839166/
シナモンエッセンシャルオイル
(研究)エッセンシャルオイルを配合した練り歯磨きの抗う蝕作用と抗バイオフィルム作用
(結果)クローブ、オレガノ、タイム、シナモンのエッセンシャルオイルは、この実験に使われたすべての細菌株(黄色ブドウ球菌、ミュータンス菌、ラクティス菌、フェカーリス菌)の抑制に効果的でした。シナモンエッセンシャルオイルは、対照に使われた0.12%グルコン酸クロルヘキシジンうがい薬に匹敵する抗菌作用を示しました。シナモンのエッセンシャルオイルはミュータンス菌の成長を強力に阻害しました。クローブ、オレガノ、タイム、シナモンのエッセンシャルオイルを含む練り歯磨きは、対照に使われた0.12%グルコン酸クロルヘキシジンうがい薬にと同じように、ミュータンス菌のバイオフィルムを完全に破壊することができました。
(結論)クローブ、オレガノ、タイム、シナモンのエッセンシャルオイルを、フッ化物を含まない練り歯磨きに加えることで、虫歯や歯周病の原因菌にを抑制できる可能性があることを示しています。
(出典)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32663696/